企画展示:南極フロンティア展「剥き出しの地球 南極大陸」
南極フロンティア展
「剥き出しの地球 南極大陸」
【公式ポスター・チラシ】
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【剥き出しの地球 南極大陸】
テントで暮らし、スノーモービルで6200km を旅した南極。氷河はまるで氷の海のようだった。セール・ロンダーネ山地は、氷の海に浮かぶ島々。白夜で一日中、沈まぬ太陽。夏とはいえ最低気温は氷点下25℃にもなり、風速30mを超えるブリザードが吹きすさぶ。二つの大陸が衝突してできたゴンドワナ超大陸の衝突境界が、セール・ロンダーネ山地。6億年〜5億年前の大陸衝突によって生まれ、今の南半球に存在する大陸の始原の姿があった。南極で見えるのは氷と岩だけの地球だ。土も草原も森もない。億の時間単位で考える地球の姿だった。そんな風景を見ていると“剥き出しの地球”を感じた。剥き出しの地球とは、「宇宙に存在する惑星」の姿である。私の人生観は変わった。南極で、生まれて初めて惑星としての地球を感じ、自分が宇宙に生きていることを実感したからだ。
【企画要旨】
企画展『南極フロンティア』では、「惑星としての地球」を実感させる「剥き出しの地球 南極大陸」を3年間にわたって撮影した阿部幹雄の写真を展示。探検のフロンティアとしての南極のセール・ロンダーネ山地地学調査隊が使用したテントやソリ、衣類など実際に使用された装備を展示する。南極探検の歴史を振り返り、第1次南極観測隊の犬橇訓練のために試作された歴史的遺産である木製ソリの展示も行う。研究のフロンティアである南極で採集され氷、隕石、新発見された鉱物などを展示する。テントに入る、寝袋に入る、数万年前の南極の氷に触る、46 億年前に宇宙に誕生して南極大陸に落ちてきた隕石に触る。見るだけでなく体験できる展示とする。そして、南極を探検した先駆者たち、その系譜を継ぐ者たち、最新研究を行っている若き研究者たちの講演会を3 回にわたって開催する。
【会期】 : 平成24年 8月 7日(火) 〜 9月30日(日)
【会場】 : 北海道大学総合博物館 1階 知の統合コーナー
【主催】 : 南極フロンティア展実行委員会
北海道大学総合博物館
【協力】 : 国立極地研究所
【特別後援】 : 北海道支社
【予定される展示品】
【阿部幹雄(第49、50、51 次南極観測隊セール・ロンダーネ山地地学調査隊)が撮影した写真と動画映像】
・写真パネル (全倍サイズ5 点、全紙サイズ80 点)
・動画映像 (北海道テレビ(HTB) の情報報道番組 「イチオシ!」の『MIKIO ジャーナル』 で放送された南極特集ニュース)
・ブリザード (動画映像)
・オーロラ (動画映像)
【南極最新研究の映像】
・世界初・ペンギンが撮影した動画映像 (国立極地研究所提供)
・湖底の神秘“苔坊主” (国立極地研究所提供、動画&静止画)
【南極・セール・ロンダーネ山地で使われた装備】
・食堂用大型テント (ノースフェイスDome8)
・隊員用個人テント (ノースフェイスVE-25)
・寝袋 (ノースフェイス ソーラーフレア)
・太陽光発電システム (パワーバンクシステム)
・衣類 (第50 次セール・ロンダーネ山地地学調査隊の野外行動用服装など)
【南極探検の歴史を語るソリ】
・歴史的遺産のソリ : 第1 次南極観測隊犬橇訓練ために試作された木製ソリ (道総研林産試験場所蔵)
・伝統的なソリ : ナンセンソリ (百数十年前から極地探検で使われている英国製ソリ)
・新開発のソリ : FRP 製の岩石輸送用ソリCS-230 (札幌・ノーライトデザイン製)
【南極で採集された隕石】
・日本の南極観測隊が初めて発見した隕石 (第10 次隊、1969 年、やまと山脈)
・火星起源隕石、月起源隕石・コンドライト隕石・鉄隕石など (国立極地研究所所蔵)
【“南極”を触る】
・隕石 (鉄隕石、コンドライト隕石)
・昭和基地近くの氷山から採取された数万年前の氷 (国立極地研究所所提供)
※南極の氷には太古の地球の空気が閉じ込められている。溶けるとき、ぱちぱちと弾ける音が聞こえ、
“太古の地球のささやき”を聞くことができる
・冷凍庫で作った氷 (南極の氷との違いを体験)
・コウテイペンギンのフリッパー (翼)
・5〜10 億年前の岩石
【南極で発見された新鉱物】
・マグネシオヘグボマイト-2N4S
(第50 次セール・ロンダーネ山地地学調査隊の志村俊昭(新潟大学准教授)隊員がブラッドニーパネ山
小指尾根で発見した新鉱物)
【南極観測隊のために開発されたフリーズドライ食料】
・南極野外食 (セール・ロンダーネ山地地学調査隊のために開発されたフリーズドライ食料)
・宇宙食 (南極観測隊がJAXA の日本人宇宙飛行士に提供)
【南極で活躍した撮影機材】
・ニコンF2 (フィルムカメラ)
・ニコンF100 (フィルムカメラ)
・ニコンD3 (デジタルカメラ) +AF-S 24-70mmf28G
・ニコンD700 (デジタルカメラ) +AF-S 70-200mmf28G ED VR
・クラ完全防水カメラバッグ南極観測隊仕様
← 解説する阿部幹雄さん(右)
← 「イチオシ!」のMIKIOジャーナルが見れるよ
【展示会場の様子】
【関連イベント・講演会】
【講演会-1】 : 『探検の系譜』 −終了しました−
日時 : 8月12日(日) 12:30 〜 16:30
会場 : 北海道大学 総合博物館 大講義室 N-308 (定員:100名)
・開会挨拶
白石 和行
(国立極地研究所所長)
(南極フロンティア展実行委員会、市立稚内病院院長)
・講演
安藤 久男 「稚内での犬そり訓練」
(第10次南極観測隊、北大山の会)
上田 豊 「南極氷床で探った未踏の地平線」
(名古屋大学名誉教授、第10, 26, 36次南極観測隊、京大学士山岳会、
「未踏の南極ドームを探る 内陸雪原の13ヵ月」の著者)
樋口 和生 「最新越冬模様 〜昭和基地でふた冬を過ごして〜」
(国立極地研究所南極観測センター専門職員、第50、52次南極観測隊員、北大山の会、
(社)日本山岳ガイド協会公認山岳ガイド)
阿部 幹雄 「スノーモービルで走った南極6200km」
(写真家、ビデオジャーナリスト、第49、50、51次南極観測隊、北大山とスキーの会)
TV連載 : イチオシ!「MIKIOジャーナル」
【講演会-2】 : 『地球環境の窓から – 南極の最新・最先端研究』 −終了しました−
日時 : 8月25日(土) 13:00 〜 16:30
会場 : 北海道大学 総合博物館 1F 知の交流コーナー (定員:60名)
・講演
外田 智千 「南極の地質とゴンドワナ超大陸」
(国立極地研究所 地圏研究グループ 准教授、第38、39、49次南極観測隊)
田邊 優貴子 「小宇宙としての南極湖沼」
(東京大学 新領域創成科学研究科、日本学術振興会特別研究員、第49、51、53次南極観測隊)
Web連載 : ポプラ社 ポプラビーチ「すてきな地球の果て」
杉山 慎 「南極氷床 – 地球でいちばん大きな氷のかたまり」
(北海道大学 低温科学研究所 講師、第49、53次南極観測隊)
阿部 幹雄 「地球の探偵たち」
(写真家、ビデオジャーナリスト、第49、50、51次南極観測隊、北大山とスキーの会)
TV連載 : イチオシ!「MIKIOジャーナル」
【講演会-3】 : 『最新ペンギン研究&南極から宇宙へ』 −終了しました−
日時 : 9月 1日(土) 13:00 〜 16:30
会場 : 北海道大学 総合博物館 大講義室 N-308 (定員:100名)
・講演
渡辺 佑基 「最新科学が明らかにするペンギンの秘密」
(国立極地研究所助教、第52 53次南極観測隊)
Web連載 : 『「研究室」に行ってみた』−「渡辺佑基研究室」
青堀 力 「南極でフレンチ ー そして宇宙へ羽ばたいた料理たち」
(ホテルグリーンプラザ白馬 洋食部門シェフ、第49次南極観測隊)
阿部 幹雄 「安全は食にあり – 南極から宇宙へ」
(写真家、ビデオジャーナリスト、第49、50、51次南極観測隊、北大山とスキーの会)
TV連載 : イチオシ!「MIKIOジャーナル」
【講演会-3】 では「南極野外食」として開発され市販品となった「極食」の試食会を行いました。