コレクションの概要と特徴

ルーツは、明治24年(1891年)の札幌農学校植物学教室に隣接していた「植物標品室」であった。明治36年(1903年)に札幌農学校が現キャンパスに移転するのとともに新たに、動植物学講堂南側にレンガ造り2階建てのさく葉庫(標本庫)が開館した。この標本庫を宮部博士は「わが子」のように慈しみ、引き継いだ舘脇操博士も充実に努められた。しかしながらこの建物は昭和34年(1959年)に取り壊され、次に農学部本館のS172号室が標本庫となった。

1999年に総合博物館が新設されたのを受けて、この農学部保管の陸上植物標本は総合博物館に移設された。この間に植物園から高橋標本(約2.5万点)が移管され、さらに原コレクション(約8,000点)・理学部維管束植物標本(約2.5万点)が追加された。
現在の整理標本は約25万点、年間平均50~100人の研究者により利用され、年間1,000~3,000枚のペースで整理標本が増加している。

代表的なコレクション

<千島・サハリン産維管束植物標本>

ウルップトウヒレン

ウルップトウヒレン

明治23年以降戦前に、宮部金吾、工藤佑舜、館脇操、武田久吉、三宅勉など札幌農学校・北大関係者によって採集されたものを主体とし、最近の国際調査による標本も加えられている。本地域の分類学的研究を進める上で一級の標本価値を持ち、当該地域標本群としてはウラジオストックの生物土壌学研究所標本庫と並ぶ世界的なコレクションである。多数のタイプ標本を含む。

<北海道産維管束植物標本>

シレトコスミレ

シレトコスミレ

同上の札幌農学校・北大関係者により採集されたもので、道内各所からの採集標本からなっている。種内変異、特定種の地理分布パターン、レッドデータ植物の過去の生育状況、外来植物の侵入年代の推定、といった研究に活用されている。

<秋山茂雄スゲ属標本>

『極東亜産スゲ属植物』(1955)の著者である、北大理学部助教授だった秋山博士のコレクション。長く理学部に所蔵され、一時農学部附属植物園に仮置きされた後、総合博物館の標本庫に移管された。最近、加藤・高橋(2009)により図版に利用された証拠標本の目録がまとめられた。タイプ標本も含まれている。

保存

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