2025年6月 新・学生企画ミュージアムグッズ(1)販売開始

北海道大学大学院・理学院の授業「博物館コミュニケーション特論 ミュージアムグッズの開発と評価」では、毎年、学生達による総合博物館オリジナルのミュージアムグッズが企画開発されています。
2025年6月、2024年度の学生企画グッズ第一弾として、2つのデザインの「オリジナルメガネクロス」がミュージアムショップぽとろで販売開始されました。1つは幌満かんらん岩、もう1つは渦鞭毛藻、いずれも総合博物館の展示に関連しています。前者は、日高山脈南西端の幌満川流域で産出する「幌満かんらん岩」の薄片標本を偏光顕微鏡を用いてクロスニコルとオープンニコルという2つの方法で観察した写真がデザインされています。それぞれの方法で観察されたかんらん石という鉱物の特徴を確かめていただき、博物館3階展示室「鉱物・岩石標本の世界」だけでなく、前庭のかんらん岩にも足を止めていただければと思います。後者は、博物館3階展示室「生物標本の世界」にパネル展示されている、微細藻類の1つで主に海洋に生息する単細胞生物である「渦鞭毛藻」の多様な形態がデザインされています。
ミュージアムショップでは初めて販売されるメガネクロス。それぞれのデザインは両面プリントされており、北大総合博物館の英語名称が中央に配されています。メガネだけでなくスマホなどの画面を拭く普段使いに、そしてお土産にも最適です。
開発したのは、研究分野が異なる3名の大学院生です。「幌満かんらん岩」を主担当した理学院で津波を研究している跡邊陽太さんは、実物では鈍い色をしているかんら岩を薄片にして偏光顕微鏡で観察した時に感じた美しい!という思いを、多くの方と共有したいと語っています。「渦鞭毛藻」を主担当した環境科学院で微化石を研究している吉村駿斗さんは、渦鞭毛藻の個体個体で異なる多様な形態の妙を伝えたいと、開発の思いを述べています。そして、いずれのグッズのデザインを担当した文学院で芸術学を専攻する伊東愛奈さんは、ショップで目を引くビジュアル、特に色にこだわった制作意図を明かしてくれました。
グッズには、大学院生が執筆し、当該分野の研究者に監修していただいた標本ラベルのスタイルの解説書が同封されています。
3名の大学院生の思いがこもったメガネクロス、ぜひショップでお手にとってご覧下さい。

  

昨年度の学生企画グッズが今後さらに販売されます。
お楽しみに!

オリジナルメガネクロス(幌満かんらん岩・渦鞭毛藻)
価格:各660円(税込)
両面プリント、サイズ:15cm x 15cm

2024年度理学院専門科目・大学院共通科目
「博物館コミュニケーション特論 ミュージアムグッズの開発と評価」
制作:跡邊陽太(理学院)・伊東愛奈(文学院)・吉村駿斗(環境科学院)
監修:阿部剛史・北野一平(総合博物館)
展示制作:堀口健雄
指導;北野一平・湯浅万紀子(総合博物館)