松村 松年 MATSUMURA Shonen(1872-1960)

 

昆虫学。理学博士、農学博士。農林業の発展のためには昆虫相の解明が必須であることから、分類学的研究を推進し、日本における昆虫分類学の基礎を築く。日本産昆虫約1,200種の命名者である。北海道の大雪山にはウスバキチョウ、ダイセツタカネヒゲなど国の天然記念物に指定されている蝶が4種生息しているが、いずれも松村が1926年(大正15)に新種あるいは新亜種として発表したものであり、同種あるいは近縁種が周極地域、高緯度山岳地域に見られ、生物地理学上の貴重な発見である。著書、論文を積み上げると自身の背丈を遥かに越えたという。1934年(昭和9)北海道帝国大学退官、名誉教授。1950年日本学士院会員。1954年文化功労者。1960年死去、勲一等瑞宝章。

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