八田 三郎 HATTA Saburo(1865-1935)

 

動物学(発生学)。理学博士。1865年(慶応元)熊本藩士の子(旧名中村三太郎)として生まれる。東京帝国大学動物学教室入学。八田家養子となり改名する。1891年(明治24)同大卒業、翌年九州学院高校教員。1904年札幌農学校赴任。1908年札幌農学校教授、同博物館主任。1912-1915年ヨーロッパ、アメリカに留学。ベルギー・ロイヤルソサエティ(動物学)会員。1929年(昭和4)北海道帝国大学退官。1935年死去。当時、発生学の材料として極めて困難と考えられていたヤツメウナギの発生を研究した。宗谷海峡によって隔てられた北海道とサハリンの両生類および爬虫類相が大きく異なることを示し、のちに八田ラインと呼ばれるようになる。両者に共通する種類がその後発見されたが、北海道と大陸との離合の地史的反映と解釈されている。

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