授業報告 博物館学特別講義 II 第3回 4月26日

第3回 4月26日

担当教員:小林快次

 今回の授業の中心テーマは、博物館の教育・普及・広報活動、および博物館活動の評価についてであった。博物館が行う教育活動には特定の人に対する教育と不特定多数の人に対する教育があり、特に後者のために取り組まれるものとして展示と普及活動がある。展示は受動的であるのに対し、普及活動はより活発的なものであるため、より教育効果が期待されるものの、「誰のための誰に対する普及活動なのか」という点を常に考慮しなければならないという。一方、博物館の評価については、地方博物館は教育委員会や教育庁文化課の管轄にある、すなわち博物館は教育機関に位置付けられているという点から見ても、教育効果を評価されてしかるべきだと思われる。しかしながら、入館者数や歳入といった経済効果に目が向けられがちなのが実情であるという。

 最も興味深かったのは、博物館のなかにはテーマパーク化しているものもあるというお話である。これは、先述したが、ただ入館者が多ければ良い、モノがたくさん売れれば良いという商業的発想が根底にあるからで、本来教育機関であるべき博物館にとって憂慮すべき事態と言える。(文学研究科修士1年 坪田織江)