活動報告 LEPIDOPTERA展 展示解説 6月4日 三岸好太郎美術館「蝶と夢」展見学

LEPIDOPTERA展 展示解説プロジェクト

6月4日 三岸好太郎美術館「蝶と夢」展見学

LEPIDOPTERA展の解説プロジェクトは6月中旬以降に始動するが、既にエントリーした学生と、総合博物館のボランティアを対象に、三岸好太郎美術館の企画展「蝶と夢」展の見学会を実施した。同展を企画した同館の苫名直子学芸員に特別に展示解説していただき、全館をご案内いただいた。

常設展では三岸の作風の変遷を辿り、企画展では代表作「飛ぶ蝶」と並んで展示されている標本についても解説していただいた。三岸の代表作「飛ぶ蝶」に描かれた蝶は特定の蝶ではないこと、虫ピンも三岸の創作によるもので、標本作製に通常使用されるピンではないことをご説明いただいた。理学院修士1年の上林君の質問を受け、この作品のパイプの額縁は、唯一、三岸が選んだものであると教えていただいた。そのモダンなテーストは、横に並んだ木製の標本箱のシックな風合いと引き立て合っていた。北大の学園紛争時代に学生によって救われた作品もあった。三岸と北大の昆虫学の松村松年先生との関わりだけでなく、三岸が旧制高校時代に北大の森林学の新島善直先生のもとでスケッチを描くアルバイトをしていたエピソードもご紹介いただき、美術館と北大のつながりを強く感じさせられた展覧会であった。

昆虫グループの問田さんは、三岸が描いたスズメガはよく観察されており、斜めに飛ぶ特徴を捉えているとコメントし、苫名学芸員も新しい発見を喜んでいらっしゃった。農学院修士1年の村松君からの質問を受け、三岸は蝶と蛾のいずれかを好んでいたというわけではなく、あまり区別せずに描いていたとも伺った。理学院修士1年の福田君は、モルフォ蝶の美しい青が色素によるものではなく、鱗粉の構造によるものであると説明し、学生達もこの夏の展示解説のイメージを始めたようである。