2011年度後期学生参加プロジェクト「クラーク博士と札幌の植物」展示解説の参加学生による考察レポート

ミュージアムマイスターコース 社会体験型科目の一環として行われた、学生参加プロジェクト「クラーク博士と札幌の植物」展示解説に参加した学生の総括レポートをご紹介します。

 

私のこれまでの「解説される側」としての経験から、突然話しかけられ一方的に情報を伝えられるのでは、自分のペースを乱されてしまい問題だと感じていた。そこで今回は、ご覧になっている展示物にどのような感想をお持ちかを伺ったり、自分自身や他の来館者の方の感想を伝えたりすることから始めた。そうすればこちらが一方的に話をすることなく自然に会話することができ、またその方が解説を必要としているのか、それともお一人でじっくりと回りたいのかを判断する材料にもなる。「必ずしもすべての方に私が持っている全情報をお伝えする必要はない」ということはこの展示解説で学んだことのひとつだが、どのような目的で来館しどのような観点から展示を見るか、ということが一人ひとり異なっているのは当然である。ご自身で本格的に植物採集されている方も、毎日の散歩で博物館を通る方もクラーク展にはいらしていたが、その方々が求めている情報は果たして同じなのだろうか。そのことに十分意識を向けた解説ができて初めて、解説員がいるというメリットが現れるのではないだろうか。(文学研究科 修士1年 福岡沙和)