授業報告 博物館学特別講義 II 第8回 6月5日

第8回 6月5日

担当:小林快次

今回は、小林快次先生によって「アンケートの活用」と題する講義が行われた。博物館を評価するに当って、来館者数や館の利益にとらわれない博物館の質(来館者の満足度)をどのようにして知ることができるのか。そのひとつの手段としてアンケート調査があるということ、またその活用方法や特性はどういったものかについて、実際に行われたアンケート調査を例に挙げながら講義が進められた。アンケート調査を行う第一義的な目的は来館者の客観的な評価を得ること、来館者のニーズを知ることであり、博物館側はそれらの目的に対して明確な意図を持ったアンケート項目を作成することが求められる。長期間にわたる計画性をもたせたアンケートの作成方法や、「いいえ、どちらかと言えばいいえ、(どちらでもない)、どちらかと言えばはい、はい」といった5(あるいは4)段階評価と自由コメント欄を両方設ける質問方法、単純集計をもとにしたクロス集計の有意性などが紹介され、アンケート調査に関する問題点も同時に取り上げながら、その本質に迫っていくような形で考察を深めていった。(文学研究科歴史地域文化学専攻 修士1年 ?野修平)