授業報告 博物館学特別講義 II 第10回 6月19日

第10回 6月19日

担当:鈴木幸人

今週の授業はまず、「なぜ人は美しいものに惹かれるか」という話題から始まった。プラトンによると、人間の魂は元々天上に住んでおり、それが下界に降りて人間として生活している。このため、人間は美しいものを見ると故郷である天上を思い出し、懐かしい気持ちになるので美しいものに惹かれると言う。また、人間の感覚器官において目というのは最も優れており、一番情報収集量が多いため、その目への刺激が一番強い絵画が美において良く取り上げられるとのことである。人間社会を超越した世界とつながっているこの「美」の、社会への発信方法を探るという観点から、次は博物館での企画展が作られるまでのプロセスへと講義が展開した。博物館と協賛することが多い新聞社、放送局と博物館の学芸員の仕事の違い、それぞれの役割についても講義していただいた。次回は、鈴木先生が実際に担当された企画展について詳細に講義して下さる予定である。(農学院生物資源科学専攻修士1年 小泉亮子)