授業報告 北大総合博物館で学ぼう 第10回 11月29日

11月29日

担当:河合俊郎(魚類分類学)

魚類分類学の講義、3回目最後の回。一人に一匹フカサゴ科の魚が割り当てられる。全3回の講義の際、常に同じ一匹を扱うため、受講生は皆、自分の魚に親近感を感じはじめているようだった(標本ごとに口に標本番号が記載されたタグが付いており、それで識別する)。今回は講義1時間半の中で、魚のスケッチを終わらせなければならなかった。講義の半分の時間が経過した頃には、スケッチの大体が完成し魚の柄を再現するため点描を打つ人、魚の輪郭をやっと描き終えた人などそれぞれスピードは異なっていた。ただ、スケッチの対象になる魚を丁寧に扱う姿勢は、全員に共通していた。標本を乾燥させないために水をかける動作や、手に持って細部まで観察した後、標本をそっとトレーに置く動作などが当たり前に見られる博物館の資料は丁寧に取り扱うということを、全員が意識せずともできているようだった。