授業報告 博物館学特別講義 II 第2回 4月23日

第2回 4月23日

担当:小林快次


今回の授業では、まず「図録」の作成要領や内容についての解説をしていただいた。その後、展示企画の大きな要素として「モノ・予算・場所・対象」という4点が挙げられるのではないかという指摘があった。「どこで、誰に、いくらで、何を」展示したいのか、という枠組みによって、企画内容が大きく左右されるということを、具体的な例を参照しつつ実感することができた。後半には、博物館活動は「教育・普及・広報」を基本的な三本柱としていることを確認しつつ、そこに経済活動が関わってくる事例を学んだ。博物館が教育施設のみならず、商業施設的な面を持つことになる事例は、博物館がある意味で観光施設あるいはアミューズメント施設としての効果を期待されることによって起きるのではないかと思った。管理元が教育委員会から観光課へ移った博物館は顕著な例だろうが、有料のカフェやミュージアムショップなどが併設される限り、他の多くの博物館にも関わる問題だと言えよう。今後の授業でも、博物館の在り方というこの根本的な問題について、継続的に考えていきたいと感じた。

(文学研究科思想文化学専攻 修士1年 室谷美里)