授業報告 博物館学特別講義II 第4回 5月7日

第4回

担当:小林快次


今回は「アンケートの活用」について、実際に行われたアンケート調査をもとに、講義が行われた。来館者数ではなく、博物館の質(来館者の満足度)によって博物館を調査する方法のひとつとして、アンケートが取り上げられており、その意義と長所、問題点と改善点について具体例を挙げながら、講義が進められた。アンケートを実施する主な目的は、来館者の客観的な評価、ニーズを把握することであり、それによって博物館側は、現状を把握することができ、意思決定、仮説発想に活用することができる。その目的を達成するためには、博物館側は、今後活用していけるような狙いを持ったアンケート項目を作成する必要がある。5段階評価と自由記述欄の両方を設ける質問方法や、単純集計とクロス集計を用いた、より詳細な分析方法が具体例に即して紹介され、アンケート活用の実態を知ることができた。アンケート調査は、来館者全員にアンケートを実施しない限り、バイアスのかかった結果となってしまうが、それを理解したうえで、データを活用していくことが求められる。

(文学研究科 修士1年 坂本真惟)