授業報告 博物館学特別講義 II 第11回 7月2日

第11 回

担当:鈴木幸人


鈴木幸人先生による第二回目の講義が行われた。今回は先生のこれまでのご経験をもとに、美術館における特別展の作り方や運営についてうかがった。現在、特別展は展示を行う館以外で企画された巡回展に会場を貸す外部委託が多く、特別展について学芸員や美術館の基礎力作りができない状態にある。学芸員としてこの問題について考えていかなければならない。

特別展には、展示のほかにもイベントや物販などの要素がある。会場の大きさや、入場者数、客層を考え、特別展全体の収支に合わせてイベントや物販を企画する。イベントは展示の内容から連想し、展示品に関する講演を企画したり、展示品が実際に使われる様を見せたりというように、展示に関してより深く学べる内容が好ましい。物販は特別展の収支を考える上で大きな要素となる。

展示の運営には、スポンサーや学芸員など立場の異なる多くの人が関わっている。これらの人々は役割や求める利益の水準が異なるため、対立する点もあるが、特別展を預かる学芸員としてそれぞれの立場を理解しまとめていく必要がある。

(農学院 環境資源学専攻 修士1年 新井玲奈)