授業報告 博物館コミュニケーション特論V 第4回 5月8日

今回は、先週の常設展示から引き続き、展示をテーマに、博物館の企画展示の企画から開催までの流れを知ることが出来る講義であった。開催までの流れは大きくテーマ内容の決定、視察・交渉、レイアウト、?予算獲得、図録作製、パネル作製とまとめられるようである。先生が実際に携わってこられた企画展をもとに、予算を獲得するための企画書の書き方や、レイアウト図面の描き方、業務提携との兼ね合いなど、各段階での具体的な仕事や作業の進め方、方法も講義してくださった。
先生は常に、博物館の4つの機能(研究・標本・展示・普及)のバランスを意識されながら、教育と普及と広報の言葉がもつ意味や、ハンズオン展示における安全性と学びの考え方等も示された。さらに、今後北大博物館で目指す、身体障がい者の方々との協同でのハンズオン展示の開発についても言及された。
博物館が誰に向かって開かれた場所なのか、そして各博物館が目指すところは何であるのか、博物館学芸員がさまざまな葛藤を抱えながら働いていることが、先生のお話から生々しく感じられ、地方の博物館が今後どのように運営されていくべきなのか、私自身、研究テーマにも沿ってしっかりと考えていきたいと思う。
(文学研究科 修士1年 原田悠里)