卒論ポスター発表会 運営学生メンバー事後考察

2014年度卒論ポスター発表会の運営と担当した一部の学生の事後考察をご紹介します。

今回の卒業論文ポスター発表会では、私は運営を担当した。運営プロジェクトに申し込む以前から、発表会当日は私の都合上参加できないことは理解していたが、それまでの準備に携わることは可能であるため、活動を希望した。当日参加できない分、それまでの運営業務を率先してやらなければならないと思い、「卒論ポスター発表会」の学外・学内向け告知ポスターの制作及びその掲載について主な役割を担当した。告知ポスターではまず最初に叩き台となるポスターを独自に制作し、ミーティング時に他のメンバーからの指摘を受け改善して、先生方のチェックを頂いて考察し、再び試行錯誤をするという流れで行った。また、それのみでは不十分に感じ、昨年卒ポス運営担当であったメンバーとも連絡を取りアドバイスを貰いつつ、5回の再提出を経て、スタッフと先生方からの修正を頂いてようやく完成することができた。掲載については、学内はスタッフの力をお借りし、学外の掲載を主に運営が担当することとなった。学外掲載先は運営メンバーで昨年の掲載先を参考に依頼先を検討し、そこで新たな掲載先として地下鉄の駅構内に掲載を依頼するという案が出された。そのため交通局掲示科に電話で連絡を取り、ポスター掲載の依頼を行って、実際に訪問し掲載先について相談することで、北大近辺の1720箇所の掲示板に掲示して頂けることとなり、学外掲載先を大幅に増すことでより広報効果を見込める結果となった。

 しかし上記の活動を行う上で、問題となる事柄も多く存在したのもまた事実である。まず、ミーティングだが、毎回時間制限を設けないことが多く、ズルズルと無言の状態が続くといった場合が多かった。更に今回、2014年年末以降、私を含めた4人中3人のメンバーの内誰か1人が、長期間参加不可のためミーティングに欠席するということに対し、前もって判明していたのにも関わらずその対処が不十分であったため問題となってしまった。私の場合、運営の前半である告知ポスターに関する事全ての殆どを担ったが、その分後半である当日の運営に参加できないこともあり関与せず、他のメンバーに殆ど任せるという事になった。連絡体制が不十分であった事も理由の一つとして挙げられるが、私自身もう自分の仕事は終わったという満足感のため、進んで連絡を取ろうとしなかったことも大きな原因である。今思えば運営メンバーとして無責任な思い込みであり、最後までやり切ろうとしなかった点が、今回最大の反省点である。

 私はミュージアムマイスターの取得を目指しており、再び博物館の企画に参加したいと希望している。次回はその反省点を念頭に置いて、取り組んで行きたい。(水産学部2年 江口剛)

 

 卒論ポスター発表会の運営に携わってもっとも強く感じたことは、個別の問題と全体の進捗を同時に視野に置くことの重要である。今回の運営では、メンバーそれぞれに不在期間があることも踏まえて、率先して準備を進める担当の仕事を決めた。この方法に良い面と悪い面があったと思う。担当を決めることで運営としての自覚を持つことができた点は評価できる。しかし自分の担当以外の仕事を他のメンバーに任せてしまいがちになり、積極性に欠けたり作業が凍結したりする場面があった。また担当に集中するあまり、決めた仕事以外の事柄に目が行かず、当日近くになって新たな仕事が見つかることもあった。積極的、計画的に運営を行えなかったことを後悔すると同時に、個別の仕事を進めつつ全体の進捗を把握することが、チーム作業においていかに重要であるか、実感した。

 今回の反省を踏まえ、今後のチーム作業では、現在進めている事柄と今後必要となる事柄を同時に把握する広い視野を持ちたいと思う。(文学部2年 神田いずみ)



 

今回、卒論ポスター発表会の運営に携わって痛感したのは、伝えることの難しさと、そしてやりがいである。宣伝ポスターの作成や、中間発表会での発表者へのアドバイスといった事前の作業に加えて、当日の運営でも、このことを意識させられた。

 宣伝ポスターを作成する際は、見る人が興味を持ちやすいポスターにするために、先生方や他の運営メンバーと何度も打ち合わせを行った。卒論ポスター発表会について全く知らない人たちに、イベントの内容を理解し、関心を抱いてもらえるような宣伝ポスターにするためにはどうすれば良いか、大変苦労したのを覚えている。色合いを工夫する、載せる情報量を必要最小限にする、魅力的なキャッチコピーを作る、といったアドバイスを先生方から頂いたが、広告を作った経験がないせいなのか、なかなか良いアイディアが思いつかない。魅力的な広告を作るためには、視野を広げ、自身の興味・関心を幅広く持つ必要があるのだろう。意識して見てみると、普段何気なく目にする広告などにも、沢山の工夫やひらめきが込められているのだと気づいた。

 中間発表会では、発表者の報告やポスターが、先生をはじめ周囲からのアドバイスを受けて、回数を重ねる度に分かりやすく、充実した内容に変化するのが大変興味深かった。普段なかなか聞く機会のない、自らの専門と異なる分野の研究について知ることができて、私自身も来館者の一人になったような気分で楽しむことができた。

 当日の運営に関しては、周囲の方々からの手厚いサポートがあり、無事に終えることができて嬉しく思う反面、改善が必要だと感じた点が二つあった。一つは、外国人の来場者が、卒論ポスター発表会でどのようなことが行われているか、ほとんど理解できていなかったことである。卒論研究を簡潔に説明するのは、日本語でも十分難しいが、外国人の来場者は今後も増え続けると考えられる。卒論ポスター発表会で何を行っているのかと、それぞれのポスターの大まかな内容を、英語で説明できると効果的だと感じた。もう一つは、来場者の方の中に、卒論と聞いて、内容が難しそうだと敬遠する人が少なからずいたことだ。卒論ポスター発表会は、研究内容を一般の方向けに分かりやすく解説するイベントだということを、運営者がもう少しアピールできると良かったと考えている。来館者に伝わりやすいように準備したつもりでも、来館者がどのように感じるか意識しきれていない部分があり、他者の立場に立って考えることの難しさを知った。

 最後に、至らない部分の多い運営に、仕事の段取りやサポートを用意周到に行って下さった先生をはじめ総合博物館の皆様に心より感謝申し上げたい。有意義な経験をすることができたことを非常に嬉しく思う。(文学部2 年 辻ゆり)