【セミナー報告】「恐竜の鳥化―脳、内蔵、翼、子育ての進化」

タイトル:「恐竜の鳥化―脳、内蔵、翼、子育ての進化」

講師:小林 快次(北海道大学総合博物館 准教授)

日時:2015年12月12日(土)13:30〜15:00

会場:北海道大学 人文・社会科学総合研究棟1F W103番教室

 

 

講演内容 天候にも恵まれ、早くから多くの方が来場され、300名近くの方にご参加いただきました。年齢層も幅広く、遠方から訪ねてくださった方や、本日の講師である小林快次先生のご著書をご持参の方もいらっしゃり、関心の深さが伝わってきました。

小林快次先生は、恐竜の鳥化について研究中の内容も含めてお話してくださいました。まず、恐竜・爬虫類・鳥類の定義の説明をしてくださいました。そして最初は、鳥の祖先となった恐竜がいつ植物食を獲得したのか、植物食の恐竜が鳥化したのか、それとも肉食の恐竜が鳥化したのか。それらの疑問に、胃の内容物や胃石、脳から迫っていくという内容でした。次に、翼について一体何のために発達したのか。その役割の移り変わりをみていきました。最後に、モンゴルで発見された世界最大の獣脚類の営巣地の研究から、テリジノサウルス類の子育てについてお話してくださいました。卵の体積から親の体重を推定、また骨から恐竜の体重を推定することで、何の卵なのか推定できるとのことです。そして、恐竜の孵化率の高さの理由、恐竜の子育て方法、その変遷について解説していただきました。参加した皆様は、真剣な面持ちで、小林先生のお話に聞き入っていらっしゃいました。

 

質問時間には、多くの方が質問を寄せられました。例えば、嗅覚が優れていた恐竜と優れていない恐竜がいるという話だったが、視覚ではどうだったのかという質問がありました。恐竜は早いうちから視覚が発達して視葉とともに眼球も発達したこと、視覚が発達したことにより、暗闇に適応できたほか、速く走ることにも適応したこと、そして、それは速く飛ぶ鳥にも受け継がれていることを、小林先生は丁寧に説明してくださいました。

 

講演終了後も多くの方が、小林先生とお話をされ、盛況のうちに今回の土曜市民セミナーは閉演致しました。

 

(水産学部2年 河村眞美、 理学部1年 森本智郎)

 

 

講師の小林先生のご紹介

講師の小林先生のご紹介

講演終了後(左から河村さん、小林先生、森本さん)

講演終了後(左から河村さん、小林先生、森本さん)