授業報告 2023博物館コミュニケーション特論 III 第1・2回 10月4・11日

初回の授業では、北野先生と湯浅先生から大学博物館の成り立ちや特色、北海道大学総合博物館の設立経緯や活動展開について説明を受けた。そして、「北海道大学の大学博物館である総合博物館」のミュージアム・グッズを開発する意図が解説され、これまでこの授業から実現してきたさまざまな学生企画グッズが紹介された。ゲスト参加いただいたショップ・カフェ代表の浅野目祥子さんにはショップの売上傾向や来店者動向を示していただき、更に、これまでの学生企画のなかでよいアイディアであっても実現できなかった事例についてご紹介いただいた。次週までに、お気に入りのミュージアムなど文化施設のグッズ2点を紹介するレポートが課された。
*****

2回目の授業では、前回に続いてショップ・カフェ代表の浅野目祥子さんにゲスト参加いただき、レポート課題であった、文化施設で買うことができるお気に入りグッズの紹介を行った。卒論ポスター発表会の運営に参加した学部3年生もミュージアムマイスターコース枠でこの授業に参加することになり、さまざまな専攻の大学院生が集まった授業の多様性がさらに増し、今後のグッズ開発においても多面的な議論が活発になることが見込まれる。
文化施設という縛りがある中でも、個々人に選ぶ基準や感じる良さに違いがあり、こだわりがあり、それぞれのグッズへの思い入れが共有されたと思う。発表に対する質問では、実際のグッズの売られ方や展開されている種類など売る側の目線からの質問が多く、これからのグッズ制作に役立てようという意思が感じられた。特別展の特設ショップから選ばれた商品も多くあり、イベントとの親和性が高いグッズは人の記憶にも残りやすく、参考にすべき点が多くあると感じた。海外の博物館で売られている商品の紹介もあり、個人的には、デザイン性が高く、普遍性が感じられ、参考にすべき点が多いと感じた。特に大英博物館の商品は、シンプルながらもロゼッタストーンを前面に押し出したデザインで、手本にすべき点が多いと感じた。総じて、目玉になりやすい物を使用したグッズや独自性のある物を題材にしたグッズは引きが強く、人の記憶に残りやすいことが理解された。また、グッズのデザインについては、楽しめるような仕組みや、使い勝手の良さなど、買った後の消費者体験を上げるような仕組みのある商品が良いデザインなのだと理解された。
来週は、それぞれが企画開発したいグッズの紹介である。個々人の感性とコンセプトを形作るスキルが試される。
矢倉鉄平(理学院 自然史科学専攻 修士1年)

 


21名の受講生それぞれのお気に入りのグッズを紹介し、質疑応答することで、グッズ開発のポイントが見えてきた。


実に多様で魅力的なグッズが紹介された。


授業終了後にショップをリサーチ。
受講生の石田さんはショップ・スタッフを務めており、バックヤードを案内していただいた。
ショップ・スタッフの視点も加わるこれからの議論が楽しみだ。