授業報告 2021博物館コミュニケーション特論 I 第2回 4月15日

本日は前半に館内見学、後半に学生企画に関するフリーディスカッションが行われた。受講生が多いため、見学案内は、湯浅先生だけでなく、受講生でミュージアムマイスターでもある森本智郎さんが担当し、2グループに分かれて館内を巡った。説明を聞きながら、北大総合博物館の特徴はどのようなところにあるのかを学んだ。総合博物館は北大が総合大学である強みを活かして、12の学部それぞれの展示スペースが設けられているほか、300万点にも及ぶ膨大な所蔵標本を楽しく分かりやすく理解するための工夫が凝らされている。たとえば、生物標本の展示室には、気づきにくいかもしれないが、驚くほど長い海藻が展示されていたり、昆虫標本の作製方法に関する展示は数年前の博物館実習の受講生によって制作されたものであったりと、自分だけでは知ることのなかった総合博物館の特色ある興味深いポイントが分かり、今後の議論をする上で参考になるだろう。
後半は学生発案型プロジェクトの企画をするにあたって、どのようなものが考えられるか、それぞれで意見を出し合った。まだとにかく意見を沢山出してみて、先生から企画立案のヒントや参考情報をいただくという段階だが、大学生活の一端であるサークルや部活動と博物館の展示を絡ませて紹介する案、特に現在のコロナ禍では来館できない方々を対象にオンラインで博物館の展示を紹介する案、オンライン授業の多い北大の1年生2年生に北大のキャンパス全体を活かした体験型のワークショップを行う案、ある分野のマニアに面白く語ってもらう案、分野横断して研究者や学生、市民が1つのテーマを議論する場を設定する案など幾つかのアイデアが生まれた。大学博物館で行う意義、学生が企画する意味を考えながらの検討が必要だ。先生の研究室の大学院生で、本授業を2年前に受講した谷口加奈子さんも議論に参加して下さった。2回目の講義と言うこともあり、まだ受講生が互いに十分には打ち解けておらず、1つのアイデアに更なるアイデアを重ねていくような議論とまではいかなかったが、来週には各々が企画書を持ってくるのでより活発に議論を進めていきたい。

髙橋佑希(文学部 人文科学科 歴史学・人類学コース 文化人類学研究室 学士課程3年)