2018年度学生参加プロジェクト「宇宙の4Dシアター」プログラムの運営 受講生の最終考察

博物館ボランティアが運営している体験型展示「宇宙の4Dシアター」。ミュージアムマイスター認定コース「学生参加プロジェクト」の一環として、北大生がボランティアと協働で公演に向けた制作活動や、博物館のイベント運営について学んでおり、2018年度はプロジェクトの1期(6~11月)と2期(9~2月)あわせて7名が受講しています。
1期で活動した北大生がまとめた最終考察レポートをご紹介します。

 

宇宙の4Dシアターの運営プログラムに参加して、公演の準備活動と公演当日の照明操作・3D天体シミュレーターMitakaの操作を行った。Mitakaの操作では、各回の台本や楽曲に合わせた操作方法を考える必要があるため、他の運営スタッフと度々意見交換を行い、来場者側の視点を意識した公演台本に沿う操作の実施を心がけた。公演内容の企画や広報に関しても、運営メンバー間で議論を重ねて作成したことでグループワークにおけるコミュニケーションの重要性を実感する事ができた。また、各回の来場者の様子から公演の良かった点と課題点を把握し、その反省を活かして次の公演を行ったことで、公演を重ねる毎に公演内容だけでなく私たち自身も成長する事ができたのではないかと思う。今回、博物館ボランティアとして活動される方をはじめ,多様な経験を持つ運営メンバーの方々と共に公演を創り上げていく過程を経験し、多くの学びを得る事が出来た。この経験を活かして今後の活動を行っていきたい。4Dシアターの運営を通して関わった全ての方々へ深く感謝を申し上げたい。
(薬学部薬学科5年 川名桃子)

 

宇宙の4Dシアター運営ボランティアにはさまざまな人が参加している。学生も社会人も一緒になって参加している。地球惑星科学を専攻している学生もいれば、私のように全く違う分野を専攻している学生もいる。それぞれが異なる知識や価値観を持って活動しているというのがこのボランティアの醍醐味である。
そのことは、宇宙の4Dシアターボランティアが行う公演内容にも反映されている。2018年は、火星接近に関する公演から『銀河鉄道の夜』や中国・日本の宇宙観、星にまつわる歌をテーマにする公演までバラエティに富んだ内容の公演をすることができた。
立場や年齢の違うメンバーがたくさんいれば、活動のなかで意見が分かれることももちろんある。しかしそこでお互いにコミュニケーションを尽くしてどのように合意点を見つけ出すかが大切である。そのプロセス自体が私にとっては一番の学びであり、営利目的ではないボランティア活動だからこそプロセスを重視することができると感じた。立場や年齢の違う多様な人々の参加によって博物館を盛り立てていくことが重要だと考えることができた。
(文学部中国文化論講座2年 長谷川健太)

 

私が目指している職業は学芸員であり、その経験の場として学生参加プロジェクト「宇宙の4Dシアター」に参加した。シアター公演を企画するにあたり、メンバーはそれぞれ役割を得て、責任をもって遂行する。それはまさにミュージアムに勤める学芸員の姿勢と同じではないだろうか。責任をもって期日までに仕事をこなすことの重要さ、そして困ったときに相談に乗ってくれるメンバーが周りにいるというありがたさを再認識することができた。このプロジェクトという場自体が、年代も専門分野も多様なメンバーの方々と交流を深めることができ、かつ様々な知識・経験を教えて頂ける貴重なものだった。また、企画を準備する過程だけでなく、メンバーと協力して作り上げた上映会が成功を収めた時、また自分がデザインしたポスターが総合博物館前に掲示されたときには、大きな充実感を得るとともに、これこそが学芸員の生きがいなのだと知ることができた。この活動に真摯に取り組むことで、「私はやっぱり学芸員になりたい!」と確信することができた。
(水産学部海洋資源科学科2年 永井陸)