授業報告 博物館コミュニケーション特論 I 第10回 6月21日

第10回の講義では,押野君の司会で前回までの確認事項や講義の流れを確認した後、ゲスト講師としてお招きした建築史がご専門の池上重康先生に総合博物館の建物についてレクチャーをしていただいた.
講義の始めでは総合博物館が旧理学部として建てられた際に用いられた図面の複製を見せていただいた.細かい設計からは,建物の便利さや美しさ,安全性には緻密に計算された詳細な設計が必要であることが窺えた.
その後、池上先生に館内を巡りながら解説していただいた.池上先生のレクチャー内容を踏まえた解説を受け,受講生は,図面と実際の建物を比較しながら,図面通りになっている箇所や違う箇所,リニューアルに伴い変更された箇所などに気付くことができた.使われている素材や梁の形のエピソードもとても興味深く楽しい解説であった.普段あまり目にとまらない箇所にも様々なエピソードがあり,私達が企画の中で目指している「建物の見る目を変える」を,自分自身で体感することができたのは,極めて貴重な体験であった.
池上先生のレクチャーの後には,<広報班>の鈴木さんを中心にポスターデザインの微調整や企画の受付についてディスカッションした.鈴木さんらが講義以外の時間も用いて熱心に取り組んでいるおかげで,課題への対応策をかなり具体的に議論できた.更に,総合博物館の建物としての特徴を調べる<調査班>,総合博物館の歴史や旧理学部出身者への「思い出ヒアリング」を担当する<取材班>からの進捗報告もなされた.両班とも調べた結果の材料はだいぶ集まってきており,集まってきた材料を当日の動きや企画参加者をイメージしつつ組み立てていく段階に入ってきた.企画の最後の<視点の共有>や評価についても並行して検討を進めている.
ヒアリング結果集まった旧理学部の「思い出」や,当時使われていたノートや教科書といった総合博物館の歴史を雄弁するモノを効果的に使う手段,企画参加者の貴重な意見が集まることが期待される「コメントカード」の設計などについても,引き続き考えていく.
雲中慧(理学院自然史科学専攻 博物館教育学研究室 修士1年)

池上先生から建物の図面コピーを見せていただき、着目点を伺う

アインシュタインドームも示された3階平面図

階段にも見るべきポイントはいくつも

 

建築様式についても解説していただく

 

建物外観にも今まで気づかなかった発見があった


解説終了後、池上先生を囲んで