授業報告 博物館コミュニケーション特論 I 第5回 5月17日

第5回の講義では、博物館の魅力を共有する活動を行った。

はじめに、普段は立ち入ることのできない応接室と館長室に、湯浅先生に特別に案内していただいた。各部屋や以前は別の用途に使われており、重厚で豪奢な造りを残したまま、新たな設備を加えて現用されていた。時代を遡ったような空間に受講者らは感嘆の声を漏らしつつ、建物に蓄積されてきた時間を感じ、博物館への理解をより深めることができた。また、非公開の場所に入ることができるという体験の貴重さを味わった。

つぎに、各自が写真と共に持ち寄った「博物館のお気に入りの場所」について共有をした。写真を媒体に他人の視点を通じてみてみると、共感する部分もあれば自身だけでは決して気づけなかったことも数多く、新たな発見の連続であった。建築様式に関する知識をもった視点、被写体として見た視点もあれば、音やにおいを含めた体感的な視点、自分の「好き」が詰まった視点もあり、様々であった。同時に、それぞれが模擬的に体感してみることで曖昧な点もみえてきた。これらのソースをもとに、次回の講義ではコンセプトを統一し、動きの流れや内容、スケジュールを固める。これまでの議論が実を結びつつあり、実働に向けて進んでいく今後が楽しみである。

(文学研究科人間システム科学専攻修士1年 野瀬紹未)


メンバーの視点の新鮮さに驚くことも多かった


発表される多様な視点について、司会の鈴木さんが確認しながら議論を進めた


活発な議論を経て、次週は具体的に企画をまとめる