2017年度卒論ポスター発表会 発表者・運営スタッフの事後考察

2018年3月3日(土)~4日(日)に開催された2017年度卒論ポスター発表会で、ポスター発表をした学生と運営に携わった学生の事後考察を一部ご紹介します。

発表会当日の様子はこちらをご覧ください。

 

発表者

私は、専門家以外の人々に伝えるために自分の研究内容を整理することは重要だと考え、今回のポスター発表会に参加した。ポスター制作の過程で、どこまで専門用語を解説すべきなのか、図の見やすさ・わかりやすさは十分なのか、時系列を意識したレイアウトだが理解してもらえるのか等々、多くの悩みを抱えていたが、自分の研究内容が一枚のポスターに整理された瞬間は感動であった。また、私の研究は北海道大学に関するもので、札幌市民の方々だけでなく観光客の方々にも興味を持っていただけるテーマであったため、たくさんの人々が真剣に話を聞いてくれた。その中で、この場所って昔こうだったよね~など当時の様子を知る人々や、普段北大で勤務している先生や職員の方々からのコメントや意見は大変参考になるものであった。研究室活動や国際学会等でなかなか時間が取れず本当に迷惑をかけ続けたが、中間発表や発表前日のメールによる指導等、運営に携わっていただいた先生や学部生の皆様には感謝してもしきれない。

(工学部 環境社会工学科 大沼 音也)

 

私は今回の卒論ポスター発表に、自分の研究を様々な方に発表させていただくことで研究内容への考察を深めたいと考え参加した。加えて自分は学部2年生の時に運営メンバーとして発表会に参加しており、一生懸命発表される当時の先輩方の姿に感銘を受けたことから自分もここで発表するのは一つの夢であった。

私が本研究を進めるに当たって心に留めていたのは、社会のどんな情勢を鑑み、研究をどう位置づけるかということである。函館の単一キャンパスで学ぶ水産学部生たる私にとって他学部の学生と研究を紹介しあったり、市民の方たちに発表しアドバイスをいただけたりするのはとても良い刺激であった。発表を通じ自分では気づけなかった点に気づいたり新しい視点を見つけたりすることができたのはとても貴重な収穫であった。

また、何かに取り組むにあたってのスケジュールの管理や体調管理といったマネージメントの大切さについても付して学ぶことができた。今回いただいたアドバイスをもとに今後も研鑽を積んでいきたい。

(水産学部 海洋資源科学科 雲中 慧)

 

卒論ポスター発表会では、研究成果を市民の方々に公表するという私にとって初めての機会をいただいた。専門用語を平易で適切な言葉に言い換えることや、限られた時間の中で研究の流れを理解していただくために、説明する情報を取捨選択することは非常に難しかった。発表にあたって気を付けたことは、聞き手の方に最後まで興味をもって発表を聞いてもらえるように、発表の流れにメリハリを付けたり、課題を最初に挙げて一緒に謎解きをしていくような感覚をもってもらうようにしたことである。しかし、話が冗長になったり、論点が分かりにくくなったりしたので、もっとコンパクトに話をまとめることができたはずだと反省している。来場者の方々からは鋭い質問を多くいただき、良い刺激になった。保全研究はどのように行われるべきか、という問題を考える良い機会になったので、これからも本発表で得た知見を活かして研究を続けていきたい。

(農学部 生物資源科学科 塩谷 悠希)

 

私はこれまでに、自分と同じ分野を専門とする人に向けてしか研究発表をしたことはなかった。そのため、自分の研究が他分野の方、市民の方からどのように見えるのかを知りたく思い、今回ポスター発表に参加した。当日は、高校生や近隣に在住されている方から、他分野を研究している学生まで様々な方が発表を聞きに来て下さった。私が食品や糖尿病の研究をしていることと、最近はテレビの健康番組などでも糖尿病や食品の話題が取り上げられていることから、市民の方も私の研究について背景知識を持っている方は多かった。そのためか研究を理解していただける方が多く、研究について興味深い質問をしていただけた。反省点としては、背景知識を持たない方に向けてポスターを作ることを意識するあまり、ポスターに掲載しなかった情報もあったため、一部の方に物足りなさを感じさせてしまったことだ。今回の発表で、自分の研究テーマが他分野の方、市民の方にも親しみやすいものであることを実感するとともに、一口に他分野の方、市民の方といっても様々な聞き手を念頭に置く必要があると知った。

(農学部 生物機能化学科 清水 祐希)

 

私はこれまでポスターを作成したことがなかったため、今回のポスター作成ではかなり苦戦した。ポスターの構成やデザインは勿論のこと、自分の研究について専門的な用語を極力少なくして明確に説明する、という事が最も難しかった。しかし様々な分野の同級生を初め、先生方や後輩、研究室の皆さんに多くのアドバイスをいただき、何度も修正を重ねた事でポスター自体の改善は勿論、自分の研究自体についても更に考察を深めることができたと思う。当日の発表でも多くの人が観覧に来てくださった。専門外の方々にも少しでも面白いと思って貰えるような話を心掛けた。また、現役ハンターや自然ガイドの方などから積極的な質問を頂くことも多く、私自身とても楽しく充実した時間を過ごすことができた。今回の発表を通して様々な人に自分の研究の魅力や新規性を伝えるという貴重な経験ができた事を嬉しく思うと共に、今後の研究や私生活にも生かしていきたい。

(農学部 森林科学科 杉浦 澪)

 

研究内容をポスターにまとめるのは初めてであり、どのように項目立ててレイアウトするか苦慮した。自分が何を話したいかにとらわれてしまったが、聞く人の目線になりどのようなことに興味を持たれるかを考えレイアウトする必要があった。他の発表者のポスターは、どのような研究対象・目的・検討方法・成果なのかが整理されており内容が分かりやすかった。自分自身の卒論は研究全体として結論が曖昧で、ポスターにおいても内容要約が上手くできなかった。研究を実際に行う段階から、対象や成果がどのようなものなのかを絶えず整理しながら研究を行っていきたい。他者に何かを伝えるためには、自分の中にある伝えたいことを整理して言葉にする必要がある。しかし今回の発表では、聞いてくださった方とのコミュニケーションのなかで言葉につまることもあった。自身のなかでの整理の不十分さや言葉選びの拙さを痛感した。卒論ポスター発表会は自分自身の課題を認識することができた貴重な機会となった。今後、今回の経験を活かした研究や発表を行えるようにしていきたい。

(文学部 人文科学科 春名 恭太朗)

 

市民の方々にもわかりやすく自分の研究をアピールする場面はなかなかないため、とても新鮮だった。中間発表では、先生や他の発表者の方々からポスターの内容に関する意見をたくさんいただき、デザイン的にも見やすく綺麗にまとめられた。発表当日は、意見や質問に答えていくなかで、自分の研究の新規性、面白さをどう主張したら良いか試行錯誤することができた。発表を重ねると、簡潔でわかりやすい説明をできるようになり、聞いている人とコミュニケーションを取りながら余裕を持って発表できるようになった。なにより一番の収穫は、市民の方々にロボットの研究について知っていただき、一緒にロボットと共生していく未来について議論できた点である。他の学部の発表者と研究の議論ができたことも良い経験となった。この発表会を通して得た経験と多くの意見を糧にしてこれからも研究を続けていきたい。

(工学部 情報エレクトロニクス学科 水丸 和樹)

 

運営スタッフ

大学でどのような研究が行われているかを知ることは研究をまだ始めていない自分にとって非常に価値があり、いずれ発表する立場になる身としてとても重要であると感じている。このような動機から、今回の卒論ポスター発表会に運営スタッフとして参加した。

運営面では、ポスター発表を行う学生と発表を見に来られる方々とのコミュニケーションをいかにして実現するかということに気をつけた。そのため発表者による中間発表会には可能な限り参加し、発表を見る方々にはどのように伝わるかを考えながらコメントさせていただいた。その中で、自分自身が様々な学問や研究に触れることができたのでとても有意義な活動であった。

反省点としては、全ての作業をうまく分担することができず、ほかのスタッフに多くの負担をかけることになってしまったことである。発表会を無事に迎えるできたのは間違いなくほかのメンバーの存在によるところである。

最後に、大変お世話になった総合博物館の皆様、発表者の方々、当日ご来館いただいた皆様、そして運営スタッフのメンバーには深く感謝を申し上げたい。

(理学部 地球惑星科学科2年 上川 伶)

 

運営スタッフの仕事は想像以上に多岐にわたり、細やかな配慮と創意工夫が求められるものであった。同時に運営スタッフはその働きが発表会をよりよいものにすることに直接関わっているやりがいのある役目であり、特に私たち学生スタッフのアイデアに基づく例年にない取り組みを実践できたことは感慨深かった。私がこうした運営スタッフの仕事を果たすことができたのは担当の先生方や発表者をはじめとする様々な方々の協力があってこそであった。ただしその前提として学生スタッフでいかにグループワークをうまく進めてゆくかが重要となっていたと思う。グループワークについては反省すべき点もあるが、それも含め運営スタッフの仕事では沢山のことを学ぶことができた。今回の経験を活かし、今後一層精進してゆきたい。

(文学部 人文科学科3年 杉谷 紬)

 

卒論ポスター発表会の運営として、準備活動のうち広報用ポスターの作成と、当日来館者に配布するリーフレットのレイアウトとを行った。作成にあたり多くの人々に情報を伝え、興味をもってもらうことを目的としたため、目を引き、かつ中身が読みやすいデザインを心掛け、豊富な知識と経験をもつ教職員の方々の他に、部外者である友人からもアドバイスを受け改訂を重ねた。当日の来館者の様子から、どちらも納得できるものができたと感じられた。

準備期間から当日にかけて、他の運営スタッフや発表者、教職員、および来館者の方々とコミュニケーションをとる機会が多くあった。発表者の方々が研究のおもしろさを熱心に話すたびに引き込まれ、新たな知見を得ることができた。運営スタッフ間では連携が上手くとれないこともあったが、その反省を踏まえ、当日は大きな混乱もなく運営することができた。また、当日は来館者の方々の様子と各ポスター発表の進行状況とを観察し、誘導することが求められた。これにはミュージアムマイスターコースで培った経験が活きた。今回の経験を活かし、今後も活動していきたい。

(理学部 生物科学科 3年 森本 智郎)