授業報告 博物館コミュニケーション特論 I 第5回 5月18日

今回の授業から、今年度行う企画テーマの決定に向けて、具体的な議論が行われた。

初めに、博物館の裏側にふれたいという学生のニーズや、博物館に対する世間の一般的な認識の低さが受講生から指摘された。これを受け、博物館の役割や学芸員の仕事等、「博物館活動の内情を知ってもらう」ことを目的とした企画の検討がスタートした。

まずは対象者として小学生、大学生、高齢者等、多様な年齢層を想定し、案を出し合った。その際、ターゲットする対象者を企画実施予定の7月に集められるのか、自分たちの専門性や特技、特性も活かした企画なのかといった点を考慮した上で、対象者を小学生およびその保護者へとしぼった。続いて企画内容として、通常の観覧よりさらに展示物を深く知ることのできる博物館マイスターツアーや、資料の収集から保存、研究、展示、解説に至るまで、学芸員の仕事を追体験してもらう展示制作イベント等、独創的な意見が出された。

このように、今回の授業では活発かつ円滑な議論が行われ、企画の大筋を決定することができた。次回以降は6月上旬の博物館の先生方への企画案発表に向け、企画概要の詳細や広報、予算、評価方法等についても議論し、企画案をブラッシュアップしていく必要がある。企画案を具現化するにあたり、今後はますます受講生一人ひとりの意見が重要となってくるだろう。本日の授業冒頭では、受講生の一人が所属する研究室で制作を担当した、館内の理学部展示におけるサンゴの研究を紹介するコーナーを見学し、展示制作の工夫について知ることができた。博物館に関するさまざまな経験や知見、問題関心をもった私たち受講生は、今一度北大博物館の現状を再認識しつつ、受講生一人ひとりの強みが最大限生かせるような企画を全員で作り上げていきたい。

(理学院修士1年 織田未希)

 

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受講生が制作に加わった理学部展示を見学 教室を飛び出し、青空と緑のキャンパスで議論を進めた