【9月7日開催】 バイオミメティクス市民セミナー(第93回)


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「ヒトの目にとまらない生き物たち」

馬渡 駿介 先生(北海道大学名誉教授・一般社団法人国立沖縄自然史博物館設立準備委員会理事)

地球上にはたくさんの生き物が棲んでいます。たとえば理科年表によれば、多細胞動物は35の動物門に分かれています。私はその内の7つの動物門、刺胞、苔虫、紐形、環形、線形、動吻、そして節足動物門で、大学院生たちと共に分類学的研究をしました。ほとんどが人間生活と接点のない、食べられない、役に立たない、ヒトの目にとまらない小さな水生動物です。これらの生きものたちを我々はどう考え、どのように接すれば良いのでしょうか?我々は学名Homo sapiens、和名でヒトという種に属しています。和名オヨギミミズの学名はLumbriculus variegatusです。分類学的に判断すれば、ヒトもオヨギミミズも種です。この世界に生を受けた種としての個体の集まりという意味ではヒトHomo sapiensとオヨギミミズLumbriculus variegatusに差はありません。種としてはHomo sapiensLumbriculus variegatusは同格なのです。このような視点から、ヒトの目にとまらない生き物たちの位置づけを考えます。

<略歴>

1969年3月         北海道大学理学部生物学科卒業

1969年-1971年  北海道大学大学院理学研究科動物学専攻修士課程

1971年-1974年  北海道大学大学院理学研究科動物学専攻博士課程

1974年3月    理学博士号取得

1982年-1988年  北海道大学理学部 助教授

1988年-1993年  北海道大学理学部 教授

1993年-2006年  北海道大学大学院理学研究科 教授

2006年-2010年  北海道大学大学院理学研究院 教授

2007年-2010年  北海道大学総合博物館館長

2007年-現在    北海道大学名誉教授

2017年-現在   一般社団法人国立沖縄自然史博物館設立準備委員会理事

2018年-現在   公益財団法人北水協会評議員