【5月4日開催】 バイオミメティクス市民セミナー (第89回) – 『持続可能な社会とバイオミメティクスを考える その2 博物館の役割』
「デジタルガイドブック:博物館をどう見せるか?」
曽我 聡起 先生(公立千歳科学技術大学 教授)
私の研究室ゼミでは,サービスサイエンス的思考に基づいたフィールドワークを行なっています。
例えば,サケのふるさと千歳水族館では,カスタマージャーニーマップという手法をもとにサービスの課題抽出を行ったり,札幌国際大学博物館では解説者が不在の際のサービス低下を補うためのデジタルガイドブックの作成などです。
こうした活動やユーザビリティエンジニアリングで重要なのが,現場の観察です。更に,観察やサービスシステムの実装の際に重要なのがリベラルアーツです。
本講演では,先日AppleのBooksストアからダウンロード可能になった「札幌国際大学博物館ガイドブック」の作成活動などを例に,取り組みの一端をご紹介したいと思います。
<略歴>
1981年 岩手大学工学部 卒業
1981年 (株)日立コントロールシステムズ
1994年 北海道大学大学院工学研究科情報工学専攻博士後期課程 入学
1997年 北海道文教短期大学(助教授)
1998年 北海道文教大学(助教授)
2006年 室蘭工業大学大学院工学研究科生産情報システム工学専攻 修了(工学博士)
2006年 北海道文教大学(教授)
2014年 千歳科学技術大学グローバルシステムデザイン学科(現 情報システム工学科・教授)
2019年 公立千歳科学技術大学情報システム工学科(学科長・現職)
「バイオミメティクスの知識基盤と博物館の役割」
平坂 雅男 先生(公益社団法人高分子学会 常務理事)
高度情報化社会において、データの活用が重要な時代となっています。バイオミメティクスの分野においても、今後、生物と工学を結びつける知識基盤が重要な役割をはたすことになります。
今、世界では、博物館が中心となり生物系のデータベースの構築が進められています。日本は、バイオミメティクスの発想支援システムで世界をリードするものの、知識基盤の構築では遅れをとっている状況です。
セミナーでは、バイオミメティクスに展開可能なデータベースに関して国内外の動向をご報告します。また、新たな動きとして、建築、農業、そして、海洋までバイオミメティクスを幅広く展開しようとしているフランスの取組をご紹介します。
<略歴>
1980年 早稲田大学 大学院 理工学研究科 修士課程 修了
1980年 帝人株式会社 中央研究所 研究員
1990年 北海道大学 工学博士
2006年 帝人株式会社 研究企画推進部 部長
2008年 帝人株式会社 研究企画推進部 部長 兼 構造解析研究所 所長
2010年 株式会社帝人知的財産センター 取締役
2014年 高分子学会 常務理事・事務局長(現職)