【活動報告】2013年5月26日(日)土器パラタクソノミスト養成講座(初級)

土器パラタクソノミスト養成講座(初級)

日  時 : 2013年5月26日(日) 10:00〜17:00

場  所 : 北大総合博物館・共同研究室

講  師 : 小野裕子(北大総合博物館 資料部研究員)

参加人数 : 10名

スケジュール

10:00〜10:10 挨拶と参加者相互の自己紹介

10:10〜11:00 概論:土器とはなにか,何を観察し,どのように記録するか

11:00〜12:00 実習:土器片の観察と記録方法

12:00〜13:00 昼食

13:00〜15:00 実習:土器片の観察と記録方法(続き)

15:00〜15:10 小休止

15:10〜16:00 実習:土器片の観察と記録方法(続き)

16:00〜16:45 考古学的分類とは

16:45〜17:00 参加者から感想/反省と修了証書授与

     

講義内容

<午前>

   冒頭10分程,受講者の自己紹介。土器パラタクソノミスト講座の受講を希望した理由や考古学についての興味・経験などを交えて簡単なアピールをみなさんにして頂きました。

   続いて,小一時間ほど,パワーポイントを使用して「土器とはなにか」というテーマで,考古学資料における土器位置づけや,土器の出現,役割などについて話し,その後,土器製作の行程を粘土採取から焼成まで順を追いながら説明しました。

   11:00からは,オホ−ツク式土器片を使用して,実際に資料の観察・記録をする作業に入りました。第1段階は土器の部位名,破片の向き,口径の算出法を説明して,方眼紙にまず概論での講義に基づいた項目について仔細に観察し,それを記載しました。第2段階では土器片の断面をとるラインを決める際の注意を話し,ラインを引いた後,マコー(型取り器)を使って断面形状と文様部分の断面形を描く作業に取りかかりました。

<午後>

   昼食を挟んで,13:00から15:00まで断面図の作製を続行し,早く作業が進んだ方々には拓本の取り方の説明を平行して行い,画仙紙を濡らした脱脂綿で土器表面に密着させる作業にかかって頂きました。

   15:00から小休止を10分間とり,16:10頃まで,断面図の作製,拓本取りを続行し,断面は,トレース用紙に専用ボールペンでトレースし,ストーブ乾燥させた拓本にアイロンがけをして仕上げ,両者をレイアウトして台紙に貼付し完成させました。

   作業後,30分ほど時間を取って,パラタクソノミスト講座と考古学の位置づけを考えるため,分類という観点から両者の異同について説明し,考古学における型式分類の方法と目的について理解を深めて頂きました。また,考古学に関するいろいろな疑問について幾人もの方々から熱心な御質問がありましたので,それらについても十分時間をとってお答えすることができました。

   16:45からは受講者のみなさんからの感想/反省を一言ずつ述べて頂き,修了証をお渡しして終了となりました。