【10月10日】GCOE「日本の境界:危機と岐路」 DVD上映&座談会を開催しました

 

10月10日、北海道大学総合博物館1階「知の交流」コーナーにおいて、北大GCOE主催「日本の境界:危機と岐路」 DVD上映&座談会が開かれました。これは、 『日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか』(北海道大学出版会)が、「ブックインとっとり2010」文化功労賞の受賞記念および、来る境界地域研究ネットワークJAPAN(JNIBS)設立の告知を兼ねた特別企画で、執筆者が一堂に集まりました。

第一部では、GCOEが監修したDVD2本(「対馬編」「八重山と台湾編」)が上演されました。第二部では、岩下拠点リーダーの進行下、執筆者による昨今の日本を取り巻く国境・境界問題が討論されました。議論は、島をめぐる周辺国との国境問題、日本政府の離島政策の在り方の二点に集中しました。前者に関しては、サンフランシスコ条約に加え、国連海洋法条約により、海上に権利の線(EEZ)が引かれた意義が、特に山田氏により強調されました。また、後者では、かつてフロンティアの最前線であった島が、戦後は経済復興のための足かせとして見捨てられてきた状況が長嶋、山上両氏から指摘されました。EEZ拠点として島の重要性を維持し、環境を保全するために、国による定住もしくは 経済活動の必要性が不可欠というのが、執筆者共通の意見として出されました。

当日は、悪天候にも関わらず、会場には50名余の聴衆が集まり、海上における線引きの意味を一般市民にも提起する機会となりました。