【受賞】小林快次准教授が北海道新聞文化賞を受賞

 

総合博物館の小林快次准教授が、第71回北海道新聞文化賞を受賞しました。この賞は、北海道文化の振興に寄与した社会事業、学術、芸術、教育、産業経済などで著しい業績のあった個人、団体等に贈られるもので、「社会」「学術」「経済」の三部門があり、小林准教授が受賞した「学術部門」は「自然科学、人文科学とその応用面などで成果を上げた学術的研究」が対象とされています。「「むかわ竜」の化石発掘など国内外の恐竜研究に貢献」というタイトルで受賞されました。

小林准教授は、国内外の恐竜を調査・研究することによって、北海道大学を「日本恐竜研究の拠点」とすることに成功し、世界に最新研究の情報発信を続けています。主な研究内容は、恐竜進化の解明と恐竜の生活の復元です。特に、食性や繁殖の進化をたどることによって、恐竜から鳥類への進化の謎を追い求め、かつて鳥類の固有と考えられていた特徴や行動が恐竜にも存在していたことを解明しています。また、海外の発掘調査に力を入れており、特に環太平洋の地域(米国、カナダ、モンゴル、日本など)の調査を毎年行い、白亜紀後期(約1億年から6,600万年前)の北米大陸とアジア大陸の恐竜の多様性、恐竜の移動、極限環境である高緯度への適応能力などを明らかにしています。

さらに、胆振管内むかわ町で大型恐竜の化石の発掘を指揮し、全国的にもまれな全身骨格の発見につなげました。これは、本邦初の大型恐竜全身骨格、本邦史上最高の恐竜化石であり、その大きさは8メートルにも及ぶものです。このニュースは日本中の注目を集め、恐竜研究の歴史に残る大発見となりました。「むかわ竜」は、植物食恐竜(ハドロサウルス科)というもので、海の地層から発見されるものとしては世界で3例目という世界的な大発見となりました。また、小林准教授は、学術面のみならず、北海道の魅力推進のためにも大きく貢献したため、北海道新聞文化賞を受賞しました。

 

 

©渋谷文廣

 

 

 11月9日 授賞式
左から藤田正一名誉教授、名和豊春総長、小林快次准教授、中川光弘館長