【報告:博物館土曜市民セミナー】7月 9日「葉に潜る昆虫 − ホソガ科」開催

タイトル:

【企画展示「LEPIDOPTERA 空を舞う昆虫たち チョウとガの世界」関連セミナー】

「葉に潜る昆虫 − ホソガ科」
講師:

久万田 敏夫

(元 北海道大学 農学部 教授)
日時:

7月9日(土)13:30-15:00
場所:

北大総合博物館「知の交流」コーナー
概要:

鱗翅目(チョウ目)は顕花植物と共に進化してきた昆虫です。

その幼虫の大部分は顕花植物を食べて成長し、成虫は花の蜜を吸うものが多く、顕花植物

とは切っても切れない関係にあります。

したがって、あの薄い葉の中の組織だけを食べて成長するガの仲間がいてもなんら不思議

は無いのですが、ハモグリガ類の話をすると信じられないと思う人が多いのも事実です。

今回、お話するホソガ科も、その殆どの種類の幼虫が葉の中の組織だけを食べて成長を

完了するハモグリガ類の仲間です。したがって、成虫(ガ)になっても非常に小さく、

世界最小のガの一種も、このホソガ科にみられます。しかも、幼虫は成長に伴って葉の中の

食べる部分を変え、形態や摂食方法を変える種類もいます。

鱗翅目(チョウ目)の中で、このように形態変化(可変態)をしながら成長することが

知られているのは、ホソガ科を含めてわずかのグループに限られています。

この講座では、ホソガ科の様々な形態変化と分類の関係を中心に、私がたどってきた

研究の道筋を織り交ぜながらホソガ科の話をしたいと思います。

企画展示関連セミナー全4回のうち、今回が2回目のセミナーとなります。

今回のセミナーでは「ホソガ」という普段聞き慣れないハモグリガ(蛾)について久万田

先生より細かく解説を頂きました。

また、久万田先生が何故、ホソガの研究をするに至ったか、その経緯についてユーモアを

交えながら説明されました。

セミナー終了後は、3F企画展示室にて久万田先生自身による展示解説も有り、非常に

充実したセミナーとなりました。

 

本講演は、北大OCWのHPからご覧いただけます。
http://ocw.hokudai.ac.jp/OpenLecture/MuseumSeminar/2011/Gracillariidae/