【5月7日開催】 バイオミメティクス市民セミナー (第53回) −「コロイド微粒子を並べてタマムシの構造色を模倣する」

バイオミメティクス市民セミナー(第53回)

「コロイド微粒子を並べてタマムシの構造色を模倣する」

が開催されます。 

金属光沢で緑色に輝くタマムシ、森の宝石とも言われています。タマムシの表皮(最外層)にはエピクチクラと呼ばれる多層膜構造が存在しており、入射した白色光が多層膜干渉によって特定の波長の光が選択反射することで構造色が発現します。

私達は粒子サイズが揃った単分散のコロイド粒子を自己集積によって3次元に規則配列させることでタマムシの構造色を模倣しました。

規則配列したコロイド粒子は宝石のオパールと同じ原理で入射した白色光を選択的に反射します。

この現象は可視光のブラッグ回折と呼ばれており、粒子サイズで任意に構造色を選択することができます。

本物と区別のつきにくい模倣タマムシを使ったタマムシの行動実験を行っています。

 

さらに模倣タマムシの作製プロセスは汎用性があり、様々な形状の対象物に構造色を付与することができます。

例えば、黒いお盆や皿にタマムシの構造色を再現することができます。日本では古くよりタマムシを利用した装飾技法が開発されました。

安価な方法でタマムシの構造色を模倣する飾色技術として今後の応用が期待されます。

また、変形によって構造色が変色する現象を利用した新しいひずみの可視化技術などへの応用も進められています。

ポスター(PDF

 

日時

2016年5月7日(土)13:30 〜 15:30

講師

不動寺 浩

(国立研究開発法人物質・材料研究機構 主席研究員)

会場

北海道大学学術交流会館/第3会議室 札幌市北区北8条西5丁目