12月24日 【トガリネズミ展】公開セミナー開催

ご好評をいただいている トガリネズミ展-他の小型哺乳類とくらべてみようー の開催に関連して公開セミナーを開催いたします。

「トガリネズミを飼育して初めて明らかになってきたこと〜北海道産トガリネズミ類の繁殖、成長、音声の研究」

河合久仁子 東海大学生物学部生物学科

要旨:意外と身近な場所に生息しているにもかかわらず、観察が難しく、生きたトガリネズミを目にすることはほとんどない。このため、一年に何回何個体の子供を産むのか、子供はどのように成長するのか、繁殖できるようになるまでどのくらいの時間が必要なのか、あまりわかっていない。また、トガリネズミ類は夜行性だが、目は小さく、暗闇でどのように餌を見つけているのか謎である。私たちは、北大の大舘智志博士と円山動物園と共にトガリネズミ類の生体捕獲と飼育下繁殖にチャレンジしてきた。オオアシトガリネズミとヒメトガリネズミおいて出産例を得ることができた。そして完全飼育下のヒメトガリネズミでの繁殖に成功した。また飼育下いおけるトガリネズミ類の行動を観察し、音声を録音した。飼育記録、行動観察、音声から、トガリネズミ類の秘密が少しずつ解き明かされつつある。今回は、これまでわかってきたトガリネズミの繁殖、成長、音声について紹介したい

「私のトガリネズミ研究-30年を振り返って」

大舘智志 北海道大学低温科学研究所

要旨:私は1987年に北大農学部の大学院に進学していらい途中中断も含めてトガリネズミ類の研究を続けてきた。トガリネズミは人間に益にも害にもならないので、当時は研究がほとんどなされていなかった。だからこそ私には魅力的に思えトガリネズミの研究を始めた。それ以来、30年以上にわたり私自身や学生、共同研究者とトガリネズミについての生態や進化等についての広範囲な研究を行ってきた。あまりに多岐に渡る研究のため、今回はそのうちトガリネズミ類の①系統・分類、②北海道産トガリネズミ類の系統地理学的研究、③種間関係について、今まで分かったことについてお話したい。

 

 

12 月 24日(日) 13:30-15:30(12:00~整理券配布)

定員50名 

先着順で、12時に整理券を会場前で配布いたします。

 

●参加無料、申し込み不要
●北大総合博物館1階 知の交流ホールにて