【活動報告】7月2日-3日考古学・土器パラタクソノミスト養成講座(初級)
考古学・土器パラタクソノミスト養成講座(初級)
日 時:7月2日(土)〜3(日)、10:00〜16:00
場 所:北大総合博物館・共同研究室
講 師:小野裕子
参加者:4名
スケジュール
2日(土)10:00〜10:15 挨拶と参加者相互の自己紹介
10:15〜11:00 講義:土器とはなにか
11:00〜12:00 実習:土器製作
12:00〜13:00 昼食
13:00〜15:00 実習:土器製作(続き)
15:00〜15:10 小休止
15:10〜16:00 実習:土器の観察と質疑
3日(日)10:00〜12:00実習:土器の実測
12:00〜13:00昼食
13:00〜13:30実習:土器の実測(続き)
13:30〜14:30講義 考古学における分類
14:30〜15:00実習:型式学的組列の組み立て
15:00〜15:10小休止・アンケート記入
15:10〜15:40実習:型式学的組列の組み立て(続き)
15:40〜15:45修了書授与式
1日目
初日は、まず受講者の自己紹介から始めました。土器パラタクソノミスト講座の受講を希望した理由や考古学についての興味・経験などを交えて簡単なアピールをみなさんにして頂きました。
10:15分から11:00までは、「土器とはなにか」というテーマで、考古学資料における土器の位置づけや、土器の出現、役割などについて説明をしました。次いで、土器製作の流れを順をおって説明しながら、土器作りとはどのようなものかをまず学んで頂きました。
11:00からはいよいよ土器作りを開始しました。今回は土器の観察に役立てるために土器作りのノウハウを知ることが目的なので、焼成はせず、成形・整形・器面調整作業を市販の瓶粘土を用いて行いました。
(午後)
昼食を挟んで、13:00から15:00まで、底部から輪積み成形により鉢形土器の作製を続けました。口径の1/4の範囲に、貼付文、縄文、沈線文で文様を描き、内面にはナデ、ハケ目で調整を行いました。
小休止を10分間とり、15:10から16:00までは、製作物を乾燥させておき、2チームに分かれて、実際の擦文式土器の口縁部・胴部破片20点ばかりを顕微鏡を用いて観察し、できるだけ多くの気がついた点を記録してもらいました。その後、講師とともに全員で土器片を囲みながら気がついた点について盛んに質疑を交わしながら、擦文式土器や土器全般に関する学習をしました。
2日目
2日目(午前)は,昼まで,各自作製した土器の実測にかかりました。描く部分を選択し,方眼紙上に正置し,輪郭線の点の取り方から始め,キャリパーを用いての器厚計測と進み,文様の計測まで行いましたが,午後まで少し持ち越しました。
(午後)
13:00から13:30まで実測の続きを行って一応作図を終えました。13:30〜14:30まで,「考古学における分類」というテーマで,分類とは何か,生物分類と考古学における分類との違いは何かを説明しました。
14:30からは,考古学の型式学的方法の一端に触れるために,エジプトでの事例を使い,土器群のセットの時間的変遷を見つける作業を2チームに分かれて行いました。途中に小休止・アンケート記入を挟みながら,変遷結果を理由と共に各チームに説明してもらい,型式の連続的な変遷の組列を組み立てる方法とその限界を学びました。
15:40から修了証書をお渡しし,受講生の労をねぎらいました。