【活動報告】7月30日-31日植物パラタクソノミスト養成講座(初級)

植物パラタクソノミスト養成講座(初級)
日 時:7月30日(土)〜31日(日)、9:30〜16:30

場 所:北大総合博物館・共同研究室

講 師:加藤ゆき恵(北海道大学植物園)

参加者:7名

スケジュール

30日(土)

9 :30〜9:45   概要説明、講師・参加者自己紹介

9:45〜11:00   講義

11:00〜12:00  総合博物館陸上植物標本庫の見学

12:00〜13:00  昼食

13:00〜14:30  北大構内で植物採集

14:45〜15:30  採集した標本を押し葉にする作業

15:45〜16:30  乾燥済み・同定済み標本を、標本貼付器を使って台紙に貼り付ける作業

31日(日)

9:45〜11:15  『絵とき検索表』を使った標本同定の実習と図鑑の検索表の使い方の解説

11:15〜13:00  昼食・博物館見学(各自)

13:00〜16:15  1日目に採集した標本の同定とラベル記入

16:15〜16:30  まとめ・修了証授与・記念写真撮影

1日目
 講師による、植物初級講座の目的と達成目標の説明から、パラタクソノミスト養成講座はスタートしました。参加者を2つの班に分けて標本作製や同定を行うため、最初に全員が自己紹介をして、本講座を受けようと思ったきっかけや好きな植物について話してもらいました。最初はパワーポイントを用いた講義で、植物の分類体系や学名の仕組み、標本庫の役割や植物標本の作り方などについて解説しました。

 その後、総合博物館内にある陸上植物標本庫を見学し、標本を集めることの意義などについて意見を交換しました。
  

 午後は班ごとに高枝切り鋏、根掘り、剪定鋏などの採集道具を持って、大学構内で植物を採集しました。総合博物館前をスタートし、経済学部横、図書館裏のテニスコート周辺、弓道場周辺、工学部前などで、花や実がついている草本・木本を採集しました。
  

 その後、持ち帰った植物を新聞紙(標本紙)に挟んで押し葉にする作業を行いました。標本紙の表には採集日・採集場所を書くため、採集場所を確認しながらの作業となりました。

   

 標本を押す作業が早めに終わったため、予め用意してあった乾燥済み・標本ラベル作成済みの押し葉標本(腊葉標本)を、標本貼付器とラミントンテープを使って標本台紙に貼付する作業を行い、1日目の講義が終了しました。
   



2日目
 2日目の午前中は、『絵とき検索表』を使った標本同定の実習を行いました。予め総合博物館に収められた標本から選んで種名部分に目隠しをしたスミレの仲間、エンレイソウの仲間、カエデの仲間の標本を、『絵とき検索表』を使って同定しました。写真図鑑などの絵合わせではなく、植物体の形質をルーペや実体顕微鏡で見て同定する作業を行ったあと、『日本の野生植物』に掲載されている、文字で書かれた検索表の見方とそれを用いた同定方法を紹介しました。その後、午後の標本同定の時に作成する標本ラベルの書き方について解説しました。
  

 午後は、前日に大学構内で採集した植物を同定する実習を行いました。種名を知っている種についても、図鑑の検索表を使って改めて同定し、植物の形態を図鑑の記載内容と比べて確認しました。同定後は標本ラベルに種名、採取情報(採集地、採集日、採集者名)、同定者名を書き込みました。ここで作成した標本は、希望者に持ち帰ってもらったもの以外は北大植物園で乾燥させて完全標本とし、植物園収蔵庫の植物標本室に収めるほか、重複標本は他標本庫との交換標本とする予定です。

 最後に本講座のまとめを行い、修了証の授与式、記念の集合写真の撮影を経て、パラタクソノミスト養成講座は終了しました。