【活動報告】8月10日-11日魚類パラタクソノミスト養成講座(初級)

魚類パラタクソノミスト養成講座初級
日 時:8月10日(水)〜11日(木)

場 所:北大総合博物館分館水産科学館(函館キャンパス)

講 師:河合俊郎・矢部衞・今村央

参加者:5名

スケジュール
10日(水)
10:00 – 10:10 開講式
10:10 – 11:05 授業 魚類の多様性
11:05 – 11:30 分類・測定方法の説明
11:30 – 12:10 カサゴ類の分類・測定・スケッチ
12:10 – 12:50 昼休み
12:50 – 16:00 カサゴ類の分類・測定・スケッチ
11日(木)
9:00 – 10:00   スケッチ続き
10:00 – 11:00 講義 日本の魚類学の歴史
11:00 – 12:20 講義 標本の作製方法
12:20 – 13:15 昼食
13:15 – 16:10 標本作製
16:10 – 16:20  閉講式


1日目
(午前)

 本講座は5名の受講者を迎えて開講されました。開講式では矢部講師の開講挨拶の後、講師2名及びアシスタント2名の紹介と参加者の自己紹介が行われました。

 開講式の後、参加者は実験室Cに移動して河合講師から魚類の多様性について分類学の基礎や各分類群の特徴などについての講義を受けました。

 続いて午後に行う実習の説明が行われました。魚の計数・計測の仕方やスケッチの書き方、ノギスなどの測定道具の使い方について説明されました。

 次に、一人1個体ずつカサゴ類の標本を選び、分類・測定する作業に移りました。参加者は検索表と顕微鏡を用いて各自の標本がどの種であるかの同定を行い、午前中の講座が終了しました。

(午後)

 午後からも引き続き各自の標本を分類・測定し、スケッチを行いました。参加者は顕微鏡で有孔側線鱗や鰓耙数の計数を行った後に、ノギスを用いて標準体長や体高などの測定項目を計測して測定用紙に記入しました。測定修了後にそれぞれの部位の長さを測ってケント紙にスケッチをしました。スケッチは実測値を標本の大きさによって縮小又は拡大して描かれました。参加者は非常に丁寧にスケッチを描いていたため、時間内に描ききれない参加者も多くいました。
2日目
(午前)

 2日目の講座は午前10時からの予定でしたが、前日のスケッチでまだ描き足りない参加者は9時前から実験室に来てスケッチの続きを描いていました。10時からは今村講師による日本の魚類学の歴史という講義が行われました。講義の終わりには参加者から「日本産魚類」とはどういった定義に基づくのか、日本産の海水魚は何種類くらいいるのか、といった質問が出ました。

次に、標本の作製方法について河合講師から講義が行われました。講義ではインドネシアでの調査の様子を撮影した映像など、魚類を採集する段階から標本になるまでの説明が行われました。参加者からは個体変異を新種とどうやって区別するのか、といった質問がされました。

(午後)

 午後は生の魚を実際に標本にする作業を行いました。冷凍保存されていた魚を参加者が採集地点ごとに1個体ずつ検索表で同定し、台帳に記入、DNA切片採取、鰭立て作業、写真撮影、タグ付け作業を行いました。

実習修了後に水産科学館に移動して閉講式を行い、参加者に修了証書が渡されて本講座が終了しました。
 

開講式 矢部先生の話               1日目 標本観察
 

講義の様子                      修了証書授与