【活動報告】10月1日-2日岩石パラタクソノミスト養成講座(初級)

岩石パラタクソノミスト養成講座(初級)
日 時:10月1日()〜2日() 10:00〜16:30

場 所:北大総合博物館・共同研究室

講 師:在田一則(北海道大学総合博物館)

対 象:中学生以上・一般

参加者:11名

スケジュール

1日(土) 

10:00〜10:10  開講式

10:10〜12:15  講義:地球の深部構造・造岩鉱物・岩石の基礎

12:15〜13:15  昼食

13:10〜14:10  博物館標本見学(3階展示室)

14:10〜14:20  休憩

14:20〜16:30  実習:造岩鉱物の肉眼鑑定

2日(日) 

10:00〜12:10  実習:岩石の密度測定

12:10〜13:10  昼食

13:10〜15:00  実習:岩石の肉眼鑑定

15:00〜15:10  休憩

15:10〜16:10  実習:岩石鑑定クイズ

16:10〜16:30  アンケート記入・閉講式


1日目

(午前)

鉱物や岩石を学ぶ上で必要な基礎知識の講義から始めました。地球のコア(中心部)・マントル・地殻(外縁)という同心円状の内部構造、とくにいろいろな岩石からできており、私たちの生活に欠かせないさまざまな地下資源をそこから得ている地殻について説明しました。また、鉱物と結晶の違い、鉱物(岩石を作っている主要な鉱物)の化学組成や内部構造による分類、岩石の三大区分である火成岩・堆積岩・変成岩についてそれらのでき方の違いや分類の仕方についてお話ししました。

(午後)

初めに1時間ほど、3階の廊下に展示してある岩石標本や鉱物標本、「アイランドアーク(島弧)」展示室にある北海道の岩石や鉱物、鉱石を見ていただき、日高山脈のでき方を説明しました。

午後の後半は、鉱物、とくに岩石を作っている8種類ほどの主要な鉱物の形や色の特徴、光り方の違い、硬さの違いなどを、各人に割り当てられた造岩鉱物標本セットや各種の岩石標本セットを肉眼やルーペ(拡大レンズ)で観察して学びました。受講者の皆さんは、きれいな結晶形をしている標本鉱物と岩石のなかに他の鉱物といっしょに見られる鉱物とでは、同じ鉱物でも見た目がずいぶん違うことに戸惑ったようすでした。
  

   

2日目

(午前)

最初に、4種類の火成岩(マントルを作っているかんらん岩,大陸の代表的岩石のかこう岩、海の岩石である玄武岩、島弧の代表である安山岩)の密度(比重)を測定しました。二人一組で上皿天秤を使い、アルキメデスの原理を利用する方法です。上皿天秤に分銅を載せてバランスさせて秤量するのは小学校(?)以来のことなのでしょうか、皆さん子供にかえって熱中していました。

(午後)

午後の前半は、岩石の肉眼鑑定です。火成岩・堆積岩・変成岩の代表的な岩石の標本を肉眼やルーペで観察し、それぞれの肉眼的な特徴や鑑定するさいの目の付けどころを学びました。岩石は色も粒度も様々で、さらにでき方が違っても同じように見えるものがあるので、皆さんは肉眼鑑定の難しさを実感したと思います。

後半は、岩石鑑定クイズです。火成岩・堆積岩・変成岩をそれぞれ10個ほどばらばらに並べ、各人に火成岩・堆積岩・変成岩の大区分のどれに属するか、岩石名は何か、さらに構成している鉱物はどういうものかなどを鑑定していただきました。採点は自己採点です。

岩石を正確に鑑定するにはその岩石が野外でどのような状況で産出しているかを知ることが重要です。したがって、岩石標本だけを手にして肉眼鑑定をすることはなかなか難しいことです。鑑定眼を養うにはたくさんの岩石を見ることが重要です。町中を歩くと、いろいろな岩石をビルの外壁や内装で見ることができますので、日頃からそれらをよく観察することが重要です。

 最後に修了証書をお渡しし,一同で記念写真を撮りました。