【活動報告】きのこパラタクソノミスト講座(初級)

きのこパラタクソノミスト講座(初級)

日 時:2011年10月9日(日)10:00〜17:00

場 所:北大総合博物館・共同研究室

講 師:小林孝人

(北海道大学総合博物館)

参加者:8名

スケジュール

9日(日)

10:00〜10:15   概要説明、講師・参加者自己紹介

10:15〜10:30   菌類標本庫概要説明

10:30〜11:00   総合博物館菌類標本庫の見学

11:10〜12:00     講義

12:00〜13:00   昼食

13:00〜14:30   北大構内で菌類採集

14:40〜15:30   採集した菌を観察

16:30〜17:00    記載シート提出・修了証授与

自分できのこ狩りをしたきのこを顕微鏡観察することを目的とした講座を行った。

最初に講師紹介、そして参加者自己紹介をした。北大総合博物館菌類標本庫の国際的略号、主な標本収集者、貸出実績などを講義形式で紹介した。その後、菌類標本庫を実際に見学した。宮部金吾のサビ菌、今井三子のナメコ、講師のアセタケ属菌などの乾燥標本を紹介した。サビ菌標本で、野外でサビ菌であることがわかるのかという質問も出た。慣れていると野外でも葉が病気になっていることが分かり、顕微鏡で確認することを説明した。

講義に戻り、きのこの調べ方、担子菌類・子のう菌類、2名法を解説した。次に、ハラタケ目記載シートの記入方法を題材にきのこの香り、味、かさ、ひだ、柄、皮膜、KOH(5%)呈色反応の特徴を示した。
        

 
        

午後から北大構内にきのこ採集に出かけた。きのこシーズンには少々遅い時期だが、観察の試料に充分な量が得られた。
    
    
            

各自試料を持ち帰り、肉眼的特徴を記載シートに記入し、スケッチを行った。その上で顕微鏡観察を行い、同定した。アカチシオタケ、ニオイアシナガタケ、スギタケ、エノキタケ、ヒカゲクロトマヤタケ、チャムクエタケ属の一種、ニセショウロ属の一種、イタチタケ、Psathyrella spadiceaなどを確認した。各菌の胞子、そして、ヒカゲクロトマヤタケの特殊な細胞であるアセタケ型シスチジアを観察できた。KOHの滴下でアカチシオタケのかさの黄変、スギタケのかさの赤変が観られた。最後に、記載シートを提出し・修了証授与式を行って講座は終了した。