【活動報告】2012年1月28日(土)〜29日(日)昆虫パラタクソノミスト養成講 座(初級)in 釧路

昆虫パラタクソノミスト養成講座(初級)in 釧路


日 時:2012年1月28日(土)〜29日(日)、10:00〜16:00

場 所:釧路市立博物館 1階 講堂

講 師:大原 昌宏(北海道大学総合博物館)

参加人数:12名


スケジュール:

28日(土)

10:00−10:10 イントロダクション

10:10−10:45 講義:パラタクソノミスト養成講座について

10:45−11:15 講義:昆虫の起源・進化について

11:20−12:15 講義:目までの分類について(前半)

12:15−13:05 昼食

13:05−13:50 講義:目までの分類について(後半)

14:00−16:00 実習:目レベルまでのソーティング(陸上性昆虫)

29日(日)

10:00−11:00  実習:目レベルまでのソーティング(陸上性昆虫)

11:05−11:30 講義:採集方法について

11:30−12:00 実習:目レベルまでのソーティング(土壌性昆虫)

12:00−13:00 昼食  

13:00−14:00 実習:目レベルまでのソーティング(土情性昆虫)

14:05−15:30 実習:標本作成

15:30−16:00 片付け・修了式・記念撮影


1日目

本講座は、パラタクソノミスト養成講座ネットワークPATNET事業として12名の受講生、見学者及び講義聴講者7名を向かえ、初めて釧路市立博物館で行われました。

イントロダクションとして、講師紹介、受講生自己紹介に続き、本講座の目的、タイムスケジュールを説明しました。次に3つの講義「1.パラタクソノミスと養成講座の開催に至った経緯・実績など」、「2.昆虫の起源・進化について」、「3.目ごとの特徴について」を大原講師がパワーポイントを使い行いました。受講生は熱心にメモを取りながら聴いていました。

次に、検索表を用いて実際に「衝突版トラップ」で採集された液浸標本の目までのソーティング実習を実態顕微鏡と検索表を用いて行ないました。

2日目

1日目に続き、「衝突版トラップ」で採集された液浸標本の目までのソーティングを行いました。ハチ目、ハエ目、チョウ目、カメムシ目、コウチュウ目などの目に分類されました。

続いて、総博では実際のトラップや採集用具を見ながらの説明ですが今回はスライドを用いて採集道具、トラップの説明を行いました。

その後、ツルグレン装置で抽出された土壌性昆虫の目までのソーティング実習を行ないました。ハチ目、コウチュウ目を始め「衝突版トラップ」ではほとんど見ることがなかったトビムシ目、コウチュウやハエ、チョウの幼虫も見ることができました。節足動物のカニムシやダニなど多様な土壌動物を観察でき、トラップ方法の違いによる採集昆虫の違いをよく知ることが出来ました。

最後の実習は、昨日ソーティングした中から、コウチュウ目の標本作成を行いました。講師による大型コウチュウの展足標本、微小コウチュウの三角紙標本作成のデモのち、それぞれが数個体ずつ作成しました。最後にみんなで片づけをし、修了式などを経て2日間の本講座を終えました。

※顕微鏡は12名ぞれぞれが違うものを用い、照明は一般の蛍光灯のためやや不十分な状態でのソーティング実習。いくつか見えにくい顕微鏡もあり、同定が困難な場合もありましたが、受講生みなさん時間いっぱい熱心に取り組み、実りある講座となりました。また、見学者、聴講者がいたこと、他博物館の学芸員の方の参加があったのも特徴でした。
   
   

本講座は、財団法人 北海道新聞野生生物基金の助成事業「道内におけるパラタクソノミスト養成講座の開催と博物館連携」として行われました.