【活動報告】2012年6月9日(土)−10日(日)昆虫マルハナバチ属 パラタクソノミスト養成講座(中級)
昆虫マルハナバチ属 パラタクソノミスト養成講座(中級)
日 時:2012年6月9日(土)−10日(日) 10:00〜16:00
場 所:総合博物館共同研究室、北大キャンパス(花木園など博物館近傍)、北大植物園
講 師:稲荷尚記(北大総合博物館 資料部研究員)
参加人数:8名
スケジュール
9日(土)
10:00〜10:20 イントロダクション
10:20〜11:30 講義
11:30〜12:30 標本観察
12:30〜13:30 昼食
13:30〜14:30 野外観察(北大構内)
14:30〜16:00 標本観察
10日(日)
10:00〜12:00 標本観察
12:00〜13:00 昼食
13:00〜15:20 野外観察(北大植物園)
15:20〜15:40 標本観察、質疑応答
15:40〜16:00 後片付け、修了式
講義内容
1日目
<午前>
始めに8名の受講生の受講動機などを紹介してもらったのち、講師から二日間の講座の概要が説明された。その後、講師が「マルハナバチ属の系統と分類」について講義が行われ、ハチ目におけるマルハナバチ属の系統的位置と、形態上の特徴が説明された。
講義で説明された特徴を確認するために、冷凍保存されたセイヨウオオマルハナバチ女王を実態顕微鏡で観察した。次に午後の野外観察に向けて、ハンドブックを用いた種を区別する上で注目すべき特徴(主に毛色)が説明された。
<午後>
理学部6号館周辺のコンフリーとムラサキツメクサの群落、および花木園のオドリコソウ群落などにおいて、講師がマルハナバチの捕獲法をデモンストレーションし、希望者には採集させた。捕獲された個体は試験管に入れて全員に回し、毛色の特徴を受講生に確認しつつ、どの種にあたるか答え合わせし、最後に放逐した。ミツバチおよび3種のマルハナバチの働き蜂が確認された。
共同研究室に戻ったのち、めいめいに渡された6種のマルハナバチの標本セットを実態顕微鏡で観察しながら、マルハナバチ全体の特徴のつづきなどを説明した。
2日目
<午前>
マルハナバチの雌雄の区別点を観察し、次にセイヨウミツバチの標本を用いてマルハナバチとの形態上の相違点を比較した。
<午後>
植物園へ移動し、灌木園のハマナスなどの植栽において、昨日と同様に(ただし採集は講師だけが行った)マルハナバチの種の区別を行った。コマルハナバチの全カースト(女王、働き蜂、オス)と他2種の働き蜂が確認された。さらに、マルハナバチに擬態した昆虫、およびマルハナバチに花粉媒介される植物の花の形態を観察し、それらの間の相互関係について考察した。
共同研究室に戻ったのち、質疑応答や、有用なウェブサイトや書籍の紹介をした。そして後片付けを行ったのち、修了式と集合写真撮影を行い、本講座が終了した。