【活動報告】2012年6月16日(土)−17日(日)岩石パラタクソノミスト養成講座(初級)

岩石パラタクソノミスト養成講座(初級)

日 時:2012年6月16日(土)−17日(日) 10:00〜16:30

場 所:共同研究室、機器分析室

講 師:在田一則(北大総合博物館 資料部研究員)

参加人数:11名

スケジュール

16日(土)

10:00〜10:10 開講式(共同研究室)

10:10〜11:00 構内の建物や碑などの岩石の見物(博物館周辺)

11:00〜12:00 講義:地球の深部構造・造岩鉱物や岩石の分類のなどの基礎(共同研究室)

12:00〜13:00 昼食

13:00〜14:10 講義:造岩鉱物や岩石の分類などの基礎(共同研究室)

14:10〜15:10 総合博物館に展示されている鉱物・岩石標本の見学(3階アイランドアーク展示室)

15:10〜16:30 実習:造岩鉱物の肉眼鑑定(機器分析室)

17日(日)

10:00〜11:30 実習:岩石の比重測定(機器分析室)

11:30〜12:30 実習:岩石の肉眼鑑定(機器分析室)

12:30〜13:30 昼食

13:30〜15:00 実習:岩石の肉眼鑑定(機器分析室)

15:00〜16:10 岩石鑑定クイズ(機器分析室)

16:10〜16:30 閉講式(アンケート記入,修了書授与)(共同研究室)


講義内容

1日目

<午前>

  開講式では、本講座の目的などの説明と日程の確認、諸注意があり、中学2年生から78歳までの幅広い年齢層の受講者11名の自己紹介がありました。

  まずは石に慣れていただくために、総合博物館周辺の建物や碑、石垣などに使われている岩石を見ていただき、町中のビルに使われている岩石についても説明しました。

  講義はパワーポイントと配布資料により行いました。午前は国内や国外の遺跡や有名な建物でどのような石がそのように使われているかなどの紹介から始め、地球の内部構造、とくにマントルと地殻の構成岩石の違い、大陸地殻と海洋地殻の違いについて理解していただきました。

<午後>

  午後の講義は、「鉱物」・「岩石」・「鉱石」の違いから始まり、岩石の主要構成鉱物である8種類の造岩鉱物の特徴を学び、岩石の3大区分である火成岩・堆積岩・変成岩の細分法や成因の違い、さらに造岩鉱物の組み合わせと岩石種の関係などについて学習しました。

  講義の後、学習した内容を実物で整理するために、3階の廊下やアイランドアーク室に展示してある鉱物や岩石を見学しました。

  最後は、機器分析室で、各自1箱割当の造岩鉱物標本箱(8種)と火成岩標本箱(10種)の鉱物・岩石標本を肉眼やルーペ(拡大レンズ)で観察し、各造岩鉱物の特徴や他のものとの違い、造岩鉱物が岩石ではどのように組み合っているかなどを実習しました。皆さん輝石と角閃石の区別が難しかったようです。
   
   

2日目

<午前>

  岩石の比重測定は、アレキメデスの浮力の原理を応用して、上皿天秤を使って岩石の見かけの比重(密度)を測る実験です。軽い黒曜岩から重いかんらん岩まで5種類の岩石試料について二人一組で測定しました。最初は天秤の扱いなどに戸惑っていたようですが、慣れるにしたがい、皆さん手際よく測定していました。

  岩石の肉眼鑑定は、火成岩標本箱(10種)や堆積岩標本箱(10種)、変成岩標本箱(10種)の小型標本のほか、大型の岩石標本も使い、鉱物・岩石標本を肉眼やルーペ(拡大レンズ)で観察し、それぞれの特徴や他のものとの違いを学習しました。

<午後>

  岩石の肉眼鑑定を継続しました。岩石は、例えば同じチャート(珪質岩)でも赤いもの、白いもの、青いもの、灰色のものがあるように、同じ岩石でも見かけが違うことがあり、総合的に判断しなければならず、機会あるごとにいろいろな岩石を見て、経験を積むことが重要です。 

  岩石鑑定クイズは、いろいろな岩石25種について、2日間で学んだ知識を総動員して、火成岩・堆積岩・変成岩のどれか、入っている鉱物は何か、岩石の名前は何か、を考えていただきました。

  修了式では、アンケートを書いていただき、全員に修了書をお渡しし、本講座を終了しました。