【活動報告】2012年8月9日(木)−10日(金)魚類パラタクソノミスト養成講座(初級)

魚類パラタクソノミスト養成講座(初級)

日 時:2012年8月9日(木)−10日(金) 10:00〜16:00

場 所:北大総合博物館分館水産科学館 実験室C

講 師:河合俊郎(北大総合博物館)、矢部衞、今村央(北大大学院水産科学研究院)

参加人数:3名

スケジュール

9日(木)

          9:55 水産科学館集合

10:00〜10:10 矢部先生の開講挨拶 講師・TA・受講生自己紹介

10:10〜11:10 河合先生(授業:魚類の多様性)実験室C

11:05〜11:10 休憩

11:10〜11:23 河合(分類・測定方法説明)実験室C

11:23〜12:00 各自(カサゴ類の分類・測定・スケッチ)実験室C

12:00〜13:00 休憩

13:00〜16:00 各自(カサゴ類の分類・測定・スケッチ)実験室C

10日(金)

10:00〜11:00 今村先生(授業:日本の魚類学史)実験室C

11:00〜11:10 研究室案内

11:10〜11:20 休憩

11:20〜12:00 河合先生(授業:標本の作製方法)実験室C

12:00〜13:00 休憩

13:00〜15:50 標本作製(種同定→肉片→鰭立→写真)

15:50〜16:00 閉講式(全員)今村先生の賞状授与・閉講挨拶 水産科学館

     

講義内容

1日目

<午前>

  本講座は3名の受講生を迎え開講されました。最初に水産科学館において、同館館長の矢部先生による開講の挨拶、メンバーの紹介、イントロダクションなどが行われました。

  次に、実験棟の実験室Cに移動し、河合先生による魚類の多様性についての講義が行われました。なお、この講義には学術的にも貴重なミツクリエナガチョウチンアンコウなどの液浸標本も用いられました。 講義後は休憩をはさみ、河合先生より魚類の分類方法、測定方法の説明がなされました。休憩をはさんだ後受講生は一人一個体のカサゴ目魚類の標本の測定を行い、午前中の講座は終了しました。

<午後>

  午後の講座では、引き続きカサゴ目魚類の標本の測定を続けた後、測定によって得られた計数・計測値を基に各標本の種同定を行いました。受講生は各自が測定・同定を行った魚類標本のスケッチを行い、1日目の講義は終了しました。


2日目

<午前>

  講座二日目は今村先生による日本の魚類学研究史の授業から始まりました。 授業後は、海洋生物学講座魚類体系学領域の見学が行われ、受講生は実際の魚体測定、解剖などの研究を熱心に見学していました。休憩をはさんだのち、河合先生による標本作成方法の指導がありました。この授業では透明二重染色標本なども資料として用いられ、午後に行われる標本作製作業のガイドラインが示されました。

<午後>

  午後の講座では、生鮮標本から標本を作製する実習が行われました。標本作製は解凍、種同定、肉片採取、鰭立て、写真撮影、タグ付、固定の7段階の作業から成りますが、受講生は種同定から鰭立てまでの作業を行いました。標本はフグ目、カサゴ目、コイ目などなじみのある分類群からトゲウオ目など普段あまり目にすることのない分類群にもおよび、受講生たちは一人当たり約10個体の標本を作製しました。

  講座の全課程が修了した後水産科学館で閉講式が行われ、今村先生より閉講の挨拶及び修了の賞状が授与されました。本講座では受講者全員がパラタクソノミスト魚類(初級)の資格を得て、二日間の日程を終えました。