【活動報告】2012年10月27日(土)木製品パラタクソノミスト養成講座(初級)
木製品パラタクソノミスト養成講座(初級)
日 時:2012年10月27日(土) 10:00〜16:00
場 所:北大総合博物館・共同研究室、実習室
講 師:守屋豊人(北海道大学埋蔵文化財調査室)
佐野雄三(北海道大学大学院、農学研究院 講師)
渡邊陽子(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター、学術研究員)
参加人数:3名
スケジュール
10:00〜10:10 イントロダクション
10:10〜10:20 初めて見る木製品の観察実践
10:20〜11:30 講義
11:30〜12:30 昼食
12:30〜14:45 講義
14:45〜15:00 休憩及び次の講義準備
15:00〜15:45 講義
15:45〜15:55 最初に観察した木製品を再度観察
15:55〜16:00 修了書授与式
講義内容
<午前>
本講座は3名の受講生を迎え、開講されました。本講座のスケジュール、講師の紹介をおこない、その後、初めて見る木製品(遺跡出土)の観察を予備知識がない状態で各受講生が実践しました。
次に守屋講師による講義がおこなわれました。講義では、自然木と木製品との違い、木製品の観察視点(1. 木取り・面取り 2. 機能の推測 3. 樹種識別)の内、特に、木取り・面取りの見方、機能推測の方法がスライドを交えながら説明されました。この段階で午前の講義は終了しました。
<午後>
午後からは、佐野講師・渡邊講師による樹種識別方法の講義がおこなわれました。対象サンプルからプレパラートを作製した後、光学顕微鏡でそのプレパラートを観察して、木材組織のあり方から、対象サンプルがどの樹種にあたるかが、説明されました。各受講生は上手にプレパラートを作製していました。
木製品の観察視点(1. 木取り・面取り 2. 機能の推測 3. 樹種識別)を一通り説明した後、守屋講師による「森林環境と人々との関わり」と題した講義が行われました。遺跡(特に札幌市および北大構内)から発見された木製品を観察することで、多くが遺跡周辺の森林環境から素材を準備している点や、一部の木製品がスギを素材として作製されたものと分かってきている点などがあげられ、周辺森林環境からの素材入手や渡島半島以南からの素材(もしくは製品)の搬入(スギは古代において札幌市周辺に自生していないと考えられているため)が分かると概説されました。受講生は木製品の観察によって分かる人々の生活が、周辺森林環境と深い関わりがあると感じていたようです。
最後に、本講座で説明した木製品の観察方法に基づいて、最初に観察した木製品を各受講生に見直してもらい、講座がまとめられました。
その後、修了式をおこなって、本講座が終了しました。