【活動報告】2012年11月11日(日)石器パラタクソノミスト養成講座(中級)

石器パラタクソノミスト養成講座(中級)

日 時:2012年11月11日(日) 10:00〜15:00

場 所:北大総合博物館・共同研究室

講 師:高倉純(北大埋蔵文化財調査室)

参加人数:5名

スケジュール

10:00〜10:05 イントロダクション

10:05〜10:15 打製石器と磨製石器の違いについての講義

10:15〜11:30 石核の観察と実測方法について

11:30〜12:00 石器製作工程についての講義

12:00〜13:00 休憩

13:00〜14:10 石核の実測方法と記録の方法について

14:10〜15:00 石器分類についての講義と分類作業の実習

15:00〜15:05 修了書授与式


講義内容

<午前>

  最初に講師の自己紹介と講座の全体的概要について説明をおこなった。次に、石核や剥片、磨製石斧を参加者に配布し、じっくりと観察しながら打製石器と磨製石器の違いについて解説した。そして石核の観察と記録によって、原石からの打ち割りがどのような過程を経て進んでいたのかを明らかにできることを示し、実際に実測図の作成をおこなった。石核の実測に関しては、とくに打面の図化方法についての工夫と注意点を説明した。午前中の最後には剥片や石核からどのような石器の製作工程の復元がなされているのかについて、日本の旧石器時代の研究を例に紹介をおこなった。

<午後>

  石核の実測作業の続きをおこなった。石核の実測図を作成する場合、接する打面と作業面どうしの間の剥離の切り合い関係を読み取る必要があるので、その観察方法について詳しく解説した。次に、石器の分類について、目的と実際の成果を解説した後、参加者にそれぞれ同一の遺跡から発見された石鏃を20〜30点配布し、標本間に共通する特徴と異なる特徴とを見つけ出し、そこからどのように分類ができるのかを考える課題に取り組んでもらった。試行錯誤の結果、どのような特徴に着眼することが有効か学んでもらった。最後に今日の講義のまとめをおこない、修了書の授与式をおこなった。