【活動報告】2013年6月1日(土)〜2日(日)昆虫マルハナバチ属パラタクソノミスト養成講座(中級)

昆虫マルハナバチ属パラタクソノミスト養成講座(中級)

日 時:2013年6月1日(土)〜2日(日) 10:00〜16:00

場 所:北大総合博物館・共同研究室

講 師:稲荷 尚記(北大総合博物館 資料部研究員)

参加人数:5名

スケジュール

1日(土)

10:00〜10:15 イントロダクション

10:15〜12:00 座学:ハチ目の主な分類群についての講義、マルハナバチの体の部位の観察

12:00〜13:00 昼食

13:00〜14:30 野外観察:北大構内

14:30〜16:00 座学:マルハナバチ属「基本の5種」の区別のための観察

2日(日)

10:00〜12:00 座学:北海道に分布する「基本の5種」以外の種の標本観察

12:00〜13:10 昼食

13:10〜15:30 野外観察:植物園

15:30〜16:00 座学:ハナバチ類の観察

講義内容

1日目

<午前>

本講座は5名の受講生を迎え開講されました(1名は怪我により事前にキャンセル)。最初に講師と参加者の自己紹介とともに個人目標を確認しました。

講義ではパワーポイントと配布資料を用いて、まずハチ目全体の系統発生と、主な分類群についての概要が説明され、マルハナバチ属がその中でどのような位置にあるか、どのような特徴を有するかが示されました。後半では、マルハナバチの標本を実際に参加者が実体顕微鏡で観察し、種を見分けるために重要な形質を確認しました。最後に、午後の野外観察の準備として、札幌近郊で多く見られる「基本の5種」の毛色による区別点を確認しました。

<午後>

共同研究室に一旦集合して野外観察に必要な道具類を準備したあと外に出て、マルハナバチ類が最近多く観察された場所である工学部前庭(ツツジ類など)、花木園(クロユリなど)、理学部6号館周辺(セイヨウタンポポなど)を訪れました。結果としてオオマルハナバチとコマルハナバチのクイーンを各1匹ずつ捕獲し、生きたままの状態で比較し、毛色の違いを全員が確認した上で放逐しました。

その後の座学では、「基本の5種」の区別に必要な2つの形質を詳しく観察しました。

2日目

<午前>

二日目は、参加者の1名が遅れるとの連絡を受けており、他の4名とともに講義が始められました。まず最初に、配布したガイドブックに従って、実体顕微鏡下で乾燥標本を観察しながらオスとメスの区別点について確認しました。次に、「基本の5種」以外にも、北海道の普通種を中心として日本産のマルハナバチ類の乾燥標本を観察しながら、種の区別点についての説明がなされました。

<午後>

共同研究室に集合して準備したあと、北大植物園に向かいました。遅れた1名とは園内で合流しました。当初の予定通り灌木園でマルハナバチを探したものの、天候には恵まれながらも全く目撃されなかったので、その後、園内の他の場所を歩きながら、マルハナバチによって花粉媒介される植物に特徴的な花の形態を観察したり、他の小型ハナバチ類の行動などを観察したりしました。

野外から戻った後の座学では、北大構内などで採集した小型ハナバチ類を観察して、科ごとの特徴などを確認しました。

最後に参加者にアンケートの記入をしてもらい、修了証を授与して二日間の日程を全て終えました。