【活動報告】2013年8月24日(土) パラタクソノミスト養成講座 野外地質見学・採集会

パラタクソノミスト養成講座 野外地質見学・採集会

日 時:2013年8月24日(土) 9:00〜18:00

場 所:小樽市忍路海岸、余市町、仁木町

講 師:松枝 大治(北大総合博物館 資料部研究員)

参加人数:45名

スケジュール

09:00〜10:00  北大博物館出発(高速道路経由移動)

10:15〜11:00 忍路海岸

11:15〜12:15 余市町小登川上流の採石場跡地

12:30〜13:30 フルーツパーク仁木(昼食・休憩)

14:00〜14:30 仁木ゼオライト鉱床

15:00〜16:00 大江鉱山跡地

16:15〜16:45 同上出発、きのこ王国(休憩)

16:45〜18:00 同上出発(高速道路経由移動)

18:00        北大博物館到着

実施内容

<忍路海岸>

  忍路湾海岸部に発達する新第三紀グリーンタフ(海底火山活動の産物)の露頭において、代表的な枕状溶岩やハイアロクラスタイト(水冷破砕岩)およびそれらを貫く含脈の産状を観察すると共に、その成因やでき方に関する詳細な説明を受けました。

<灰長石巨晶>

  余市町小登川流域に分布する凝灰岩中の灰長石巨晶(1〜2cm)は、赤井川火山(カルデラ形成)噴出物のひとつと考えられており我が国でも著名ですが、今回の巡検では現地の採石場付近の火山礫凝灰岩露頭において採集しました。参加者の中には、最大で約3cmに達する巨晶や結晶面がきれいな微晶、また珍しいカールスバッド双晶を示す結晶を採集した人もいました。

<仁木ゼオライト鉱床>

  東北日本を始めとして、北海道のグリーンタフ地域には含軽石凝灰岩を源岩とするゼオライト鉱床が発達します。ゼオライトは、その鉱物学的性質から耐熱性、耐酸・アルカリ性、各種ガス吸着・吸湿特性、イオン交換特性、触媒作用等に優れているため、多用途に用いられていることや、特に近年問題となっている放射能汚染水処理に活用されていることの説明を受けた後、採掘場での産状の観察とサンプリングを行いました

<大江鉱山>

  仁木町に位置する旧大江鉱山は、過去には銅・鉛・亜鉛・銀に加え、マンガンを多量に採掘した鉱山で、約30年前に閉山しましたが、現在も鉱山跡地でズリ鉱石等が採集できます。特に、美しいピンク色の菱マンガン鉱や粗粒方鉛鉱、閃亜鉛鉱などの美晶を含も鉱石が比較的容易に採集できることから、参加者は熱心にサンプル採集を行い、十分に満足できるほど標本を採集することが出来ました。