【活動報告】2014年5月17日(土)土器パラタクソノミスト養成講座(初級)

土器パラタクソノミスト養成講座(初級)

日 時:2014年5月17日(土) 10:00〜17:00

場 所:北大総合博物館・共同研究室

講 師:小野裕子(北大総合博物館 資料部研究員)

参加人数:10名

スケジュール

10:00〜10:10 挨拶と参加者相互の自己紹介

10:10〜11:15 概論:土器とはなにか,何を観察し,どのように記録するか

11:15〜12:00 実習:土器片の観察と記録方法

12:00〜13:00 昼食

13:00〜15:00 実習:土器片の観察と記録方法(続き)

15:00〜15:05 小休止

15:05〜15:45 実習:土器片の観察と記録方法(続き)

15:45〜16:25 補講:考古学的分類とは

16:25〜16:50 参加者からの考古学に関する自由質問

16:50〜17:00 参加者からの感想と修了証書授与


講義内容

<午前>

  冒頭10分程,受講者の自己紹介を兼ねて土器パラタクソノミスト講座の受講を希望した理由や考古学についての興味・経験などをお話して頂きました。

  続いて,一時間ほど,パワーポイントを使用して「土器とはなにか」というテーマで,考古学資料における土器の位置づけや,土器の出現,役割などについて話し,その後,土器製作の行程を粘土採取から焼成まで順を追いながら説明しました。

  11:15からは,オホ−ツク式土器のうち中期と後期を代表する土器片を使用して,実際に資料の観察・記録をする作業に入りました。最初に土器の部位名,破片の向き,口径の算出法を説明し,講義で挙げた項目について仔細に観察・記録して頂きました。次に土器片の断面ラインを決める際の注意点について話し,ラインを引いた後,マコー(型取り器)を使って断面形状と文様部分の断面形を描く作業に取りかかりました。

<午後>

  昼食を挟んで,断面図の作製を続行し,早く作業が進んだ方々から図のチェックを行いました,全員のセクション取りが済んだ段階で,拓影の取り方について説明をし,画仙紙を濡らした脱脂綿で土器表面に密着させる作業に入りました。温風ストーブを利用して拓影の強制乾燥を併行して進めました。15:00から小休止を5分間とり,墨打ちをタンポを用いて行いました。打ち終えた拓影には裏打ちをし,また,断面のトレースを専用ボールペンで行い,拓影と組合わせてレイアウトし,糊で台紙に貼付,土器片の個体?を記載して15:45頃に完成となりました。

  15:45頃から,40分ほど時間を取って,パラタクソノミスト講座と考古学の位置づけを考えるため,分類という観点から両者の異同について説明し,考古学における型式分類の方法と目的について理解を深めて頂きました。また,16:25頃からは参加者の皆さんが日頃関心や疑問を抱かれている事柄についてご自由に質問をして頂く時間とし,6割の方々から熱心なお尋ねがありました。16:50から受講者のみなさんに,本講座に参加された御感想を伺い,修了証をお渡ししてお開きとなりました。