【活動報告】10月15日-16日昆虫パラタクソノミスト養成講座(初級)
昆虫パラタクソノミスト養成講座(初級)
日 時:10月15日(土)〜16(日)、10:00〜16:00
場 所:北大総合博物館・共同研究室
講 師:大原昌宏・稲荷尚記
参加者:7名
スケジュール
15日(土)
10:00〜10:10 イントロダクション
10:10〜12:00 講義、採集方法の説明
12:00〜13:00 昼食
13:00〜16:00 液浸標本のソーティング(陸上性昆虫)
16日(日)
10:00〜12:00 液浸標本のソーティング(土壌性微小昆虫)
12:00〜13:00 昼食
13:00〜15:40 甲虫の乾燥標本作製
15:40〜16:00 片付け,修了式,記念撮影
1日目
<午前>
本講座は8名の受講生を迎え開講されました。最初に講師2名の紹介がされ、イントロダクションとして本講座の目的やタイムスケジュールの確認、諸注意などが説明されました。
次に大原講師による講義が行われました。講義ではスライドと資料を用いて、昆虫の起源と進化、形態、目ごとの特徴が説明されました。
<午後>
午後からは、マレーズトラップという道具を用いて採集されたアルコール液浸標本を用い、飛翔性昆虫のソーティング(サンプル個体を、ある分類階級まで、今回は「目」まで分けていく作業)を行いました。作業の前に、受講生に渡した資料中の検索表の使い方、実体顕微鏡の扱い方などが説明されました。最初は受講生一人につき10個体程度が配られ、適宜講師による説明を受けつつ、昆虫を一個体ずつ丁寧に観察しながら、目の同定を行いました。
2日目
<午前>
午前中は、前日に引き続き液浸標本のソーティングが行われました。ただしこの時は、ツルグレン装置によって抽出された、土壌性微小昆虫の液浸標本が用いられました。ここでは、前日に観察したサンプルよりも小さく、無翅昆虫類が多く含まれていたため、前日に観察した昆虫には見られなかった特徴について詳しく観察しながら、目の同定が行われました。また、夏の初級講座とは違い、今回は採集ができないため、大原講師が使用している採集道具の実物や、展示資料(1F「循環から見る自然と人」)を用いて、様々な昆虫採集の方法が説明されました。
<午後>
午後は、前日にソーティングされたコウチュウ目の液浸標本を用いて、乾燥標本の作成について説明されました。まず大原講師によって、大型甲虫の展足や、小型甲虫の台紙貼り標本が作成され、次に受講生がそれにならって実際に標本を作成しました。午後3時40分ころには作業を終了し、その後片付け、修了式を経て本講座が終了しました。
本講座は、財団法人 北海道新聞野生生物基金の助成事業「道内におけるパラタクソノミスト養成講座の開催と博物館連携」として行われました.