1-3-9 ドウガネエンマムシ亜科 Saprininae

 世界に34属約600種,日本からは4属14種1亜種(他に2不明種がある)が知られる.楕円形で体長約2.0-10.0ミリ.腐肉や糞に集まるものが多い.生息環境は多様で,内陸の森林や河原,また海浜や砂漠などの乾燥した環境にも多くの種がすむ.前胸腹板に触角を納める溝を縦にもつ(概説VI: 図3).前胸腹板葉(Prosternal lobe)は欠く.本亜科には,前胸背,鞘翅が平滑で光沢が強くルリ色などに輝く美しい種も含まれるが,一般に粗めの点刻を表面に具えたものが多い.その点刻は通常,頂上部(前胸背・鞘翅基部中央,小楯板付近)から消失する傾向をもつ.また,しばしば小楯板後方に一対の無点刻部分「鏡部」(鈑琿, in Kryzhanovskij and Reichardt, 1976)をもつ.鞘翅会合条と第5背条の間は広く離れる.


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1(2) 前頭溝は欠く. .................... マルマメエンマムシ属

2(1) 前頭溝をもつ.

3(4) 鞘翅表面は無点刻.前胸腹板突起は著しく狭くなり,平面部をもたない. ......................................... ツヤハマベエンマムシ属

4(3)  鞘翅後方は点刻される.前胸腹板突起は幅広く,平面部をもつ.

5(8) 前胸腹板突起は,両側前方1/3に小さな穴をもつ.体長 2.0-4.0 mm.

6(7) 前頭表面には1,2本の横溝,または不規則な横皺をもつ.前頭溝の前方部分は強く刻印され直線になる. ........................ ハマベエンマムシ属

7(6) 前頭表面には弱い点刻か皺を具える;明瞭な横溝は欠く.前頭溝の前方部分は弱く刻印され,たいていは弧状.時折,途切れる. .......................... ヒメハマベエンマムシ属

8(5) 前胸腹板突起は両側前方に穴はない.体長4.6-8.6 mm. ............... ドウガネエンマムシ属


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