1-3-7 オオマメエンマムシ亜科 Dendrophilinae

 4族に分類される.世界に約370種.日本からは4族21種が知られる.本亜科のものはドウガネエンマムシ亜科・クロツブエンマムシ亜科・ツツエンマムシ亜科・ニセツツエンマムシ亜科と同様に,「前胸腹面にある触角をしまう溝は,前胸腹板突起と平行に縦に位置する(図3)」.これらの亜科のなかで本亜科のみが「のど板」をもつ.樹皮下に生息する種が多く,一部腐敗物に集まるものや土壌性のものがある.


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1(2) 前脛節の外縁は厚みがあり,短い刺毛を具えた2つの縁をもつ;外歯や刺はない;ふ節を受ける溝は2つの外縁の間に位置する(図4A).  ............ ツブエンマムシ族

2(1) 前脛節の外縁は薄く,一つの縁からなる;縁は細かい外歯をもつ;脛節の末端には多少とも曲がった刺を具える;ふ節は前脛節の背面にしまわれる(図4B, C, D).

3(6) 前頭条は欠く;前頭は狭く,側縁は前方へ収斂する.体は円形か楕円形で,たいていは凸型で厚みがある.雄交尾器のbasal pieceは短い(図7).

4(5) 鞘翅は通常の背条を具える;背条は明瞭でほぼ平行に走る.前脛節の刺は大きい(図4C).  ............  オオマメエンマムシ族

5(4) 鞘翅は背条を欠く;背条をもつ場合は曖昧な痕跡が基部か肩部にあらわれるにすぎない.前脛節の刺は小さい(図4B).   ............ アカツブエンマムシ族

6(3) 前頭条はよく発達し上唇の後方でもほぼ完全(Eulomalus属は例外で途切れる);前頭は広く台形.体は通常長楕円で偏平,いくつかの属では楕円でいくぶん厚みをもつものがある.雄交尾器のbasal pieceとparameraの比は多くの種で約3:1,basal pieceの長いものが多い(図7).  ............  チビヒラタエンマムシ族


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