1-3-7-1 オオマメエンマムシ族 Dendrophilini
世界に3属17種,日本にはDendrophilus属1種が分布する.他属の Phoxonotus Marseul (5種)は南米に分布し,Kissister Marseul(4種)はアフリカ,南ヨーロッパに分布する.
2亜属,Dendrophilus (6種;新・旧北区,コスモポリタン)とDendrophilopsis Schmidt (2種:シベリア,コーカサス)に分けられる.後者は「中・後脛節が前脛節のように広がらず」「ふ節を受ける溝が明瞭なこと」で前者から区別される.
オオマメエンマムシ (図1, 5, 7A, B)
Dendrophilus (Dendrophilus) xavieri Marseul, 1873
図説 N: 68, f. 34-22. 図説 H: 224, f. 40-23; Ohara, 1994: 149 [再記載,♂交尾器]. 体長2.78-3.30ミリ,幅1.93-2.26ミリ.背面は一様に点刻され,鞘翅背条は明瞭,個体により長さの変異がある(第1背条は通常ほぼ完全で時折先端1/3をかすれさせる;第2,5は通常基部2/3にあり,第2はほぼ完全になることもある;第4は基部1/2にある;会合条は基部2/3にあり基部1/3はかすれる).マルマメエンマムシ属(Gnathoncus)に一見似るが亜科の区別点(本種にのど板がある)を確認すれば同定を誤ることはない.本種のハビタットは多様で,豚糞,鶏糞,植物腐廃物,死体,トリ・ネズミの巣などから採集される.貯穀の中にも見つかり,水車小屋や倉庫からの記録もある.分布:北海道,奥尻島,本州,四国,九州.台湾.東シベリア.イギリス・北アメリカ(移入).